私、自己紹介にもあるように、大学生であるのですが、いかんせん変人なので、古代ギリシア語というまあだれも気にもかけてくれそうもない言語を習得してしまったのであります。まあ、習得といっても語彙などの能力は乏しいわけですが、文法事項はほぼ完ぺきに理解しましたので、まあ、辞書片手にですが、古代ギリシア語で書かれた原典を読むことが出来るようになったのでございます。ただ、かなりの時間を浪費したかもしれませんが。

 

大学生の本分は勉学であると私は思っており、また私の性質上、あまり遊ぶことが得意ではないからかもしれないのですが、とにかく変なことばかり勉強していたのです。例を挙げれば、実存主義哲学やら、超越論的哲学やら、はたまた記号論理学やら、ラテン語やらドイツ語やら中国語やら、古代哲学やら、まあそんなことばかりしていたわけなのです。おかげで、よくわからない知識が増えていくばかりなのですが、

 

話がそれてしまいましたが、とにかく古代ギリシア語をどうやって勉強すればよいのか、ということをこのブログに書き記しておきたいと思います。自分にとっての記録になれば、とも思いますし、また、古代ギリシア語に興味がある、ような変な人にとっても参考になれば幸いです。

 

まず、古代ギリシア語を学ぶ際にもっとも大切なことを言わせていただきます。それはずばり、忍耐力です。これがもっとも大切です。まあ、どの言語を学ぶにしてもそうなんですがね(笑)

実際、書店に行って確認してもらえればわかると思うのですが、あまりにも名詞や形容詞の活用変化や、動詞の語尾変化が多いのです。

 

たとえば、英語では、形容詞の変化はありません。また、日本語や中国語でも変化はありません。

しかし、古代ギリシア語の場合、形容詞の変化は30通りになります。

桁違いですね(笑)まずこの段階で、初心者のかたは挫折します。

 

また動詞に関してですが、これまた英語の場合は、変化の仕方は5通りくらいですよね。

しかし、古代ギリシア語の場合、一つの動詞が、およそ300通りに変化します。はい。またここで挫折します。

 

このように、古代ギリシア語では、単語の変化がとても多く、とてもストレスフルに感じられる言語になっております。

したがって、古代ギリシア語の勉強には根性と覚悟が必要になります。

 

さて、根性と覚悟をもったところで次はどうすればよいのでしょうか。

次は、独学で学ぶか、人に教えてもらうかを選択しましょう。

人に教えてもらいたい場合、身近に古代ギリシア語を習得した人などまずいないでしょうから、カルチャーセンターや大学のホームページで講座の有無をチェックするのが、もっとも手っ取り早いと思います。

 

さて、では独学で学ぶ場合はどうすればよいのでしょうか?

まず、インターネットで探しても、古代ギリシア語の文法事項を体系的にまとめ上げたサイトは見つかりません。

ですので、参考書を入手しなくてはならないのです。

ではどの本を選べばよいのでしょうか。

私は、手元に古代ギリシア語を学ぶための文法入門書が三冊あります。しかし、入門書とはいえ、どの本もそこに書かれた内容をきっちり習得すれば、原典読解には必要十分ですので、もはや入門書と呼ぶべきではなく、単に文法書と呼ぶべきなのかもしれません。ですが、『古典ギリシア語文典』(マルティン・チエシュコ著 平山晃司訳 白水社)のような広文典のようなものもあり、このような文典こそ、文法書と呼びうるはずですので、ここでは入門書と呼びたいと思います。

 
 
さて、ではまず一つ目の文法入門書は、『古典ギリシア語初歩』(水谷智洋著 岩波書店)です。一番最初に私が使用した入門書です。この入門書は簡潔になおかつ必要十分に文法事項が説明されております。この入門書のはしがきによれば、この書物、大学で使用されることを前提に作られています。
非常に丁寧で、とても体系的にまとめられてはいるんですが、ただひとつ難点があります。
それは練習問題にあります。練習問題のなかに、明らかに初学者に対しては長すぎたり、難しすぎたり、といった問題が含まれております。また、練習問題に答えがありません。これはやる気がそがれてしまうおそれがあります。
しかし、練習問題を除けばとてもすぐれた入門書ですので、文法事項の確認、整理用として、主に利用するとよいでしょう。私も原典を読む中で、文法事項に不安を覚えたときはこの入門書を参考にします。なにより、巻末の変化表のまとめ方が入門書のなかで群を抜いているからです。
 

 次に紹介する入門書は、『ギリシヤ語四週間』(古川晴風著 大学書林)です。デザインがかっこいいです。触り心地といい、大きさといい、重さといい、どれもデザイン的には秀逸です。ですが、いかんせん値段が高いのです。この入門書、なんと一冊で5000円を超えちゃうのです。コスパ的にどうなんでしょうか・・・
内容的になんですが、説明はよくできています。ですが、体系的にうまくまとまっているとは言えないのです。文法事項があっちへいったりこっちへいったりして、学習しにくいんじゃないかと思います。また、練習問題もいちいち難解で量も多く、あまりお勧めできる入門書ではありません。でも答えはついてますよ。
デザインにこだわるなら、この入門書はいいですが、値段も高いですし、買うのはやめておきましょう。もちろん買ってもいいですが。
 
 
そして、私が持っている三つ目の入門書は、『ギリシア語入門』(田中美知太郎、松平千秋著、岩波書店)です。
実際に持っていただければわかるはずなのですが、あきらかにこの入門書、軽いんですねよね。ページもめくりやすいですし、使いやすいです。
文法事項がうまく体系的にまとめられてありますし、ほかの二つの入門書に比べてはるかに説明がわかりやすいです。とても丁寧なのです。
また、練習問題に答えはありませんが、練習問題は簡単であり、答えは必要ありません。簡単で、自分ですぐに解決できるからです。課ごとに練習問題があるわけなんですが、練習問題はその課で扱ったことを中心にこたえる問題ですので、答えがなくても問題ないわけなのです。
また、原典を読んでいるさいに不明な文法事項などもすぐに調べられますので、おすすめです。
この入門書が一番学習しやすいです。
 
 
 
また、私は持っていませんが、大学の図書館などで拝見したほかの入門書には、『古典ギリシア語入門』(池田黎太郎著 白水社)や『新ギリシャ語入門』(田中利光著 大修館)があります。これらもざっと目を通したところ、とても簡潔にまとまっておりわかりやすかったですよ。
ただ、『CDエクスプレス 古典ギリシア語』(荒木 英世著 白水社)はやめておきましょう。原典読解には不十分ですので。それに、CDはまずいりません。現代において、古代ギリシア語でコミュニケーションをとるなどありえないからです。また、幾年も前の言語の正確な発音などわかりえませんので、CDを聴くことはただの時間の無駄です。ムダです。
 
 
 
 
これらの入門書を用意すればいよいよ学習開始ということになります。
つづきは、次回のブログ記事にて書かせていただきます。お願いいたします。