「真理さんの命日だよ

 

昨夜は十五夜だったんだ」

 

かぐや姫のように月へ帰ってしまった真理さん

 

いつまでもいつまでも忘れないし

 

何なら帰ってきてくれるのを待ってるんだ・・・・・

 

心から逢いたい。

 

初めて熱海で会った時

 

もう十年以上まえの5月の19日

 

真理さんが保護した赤ちゃんネコを貰いに行った

 

私は長そでのシャツにベストまで着込んでいたけど

 

あなたは半そでのTシャツ一枚で

 

寒いんじゃないかと心配した

 

痩せてて小さくて、何か食べるか聞いたら

 

電車に乗る前にパンを買い食いしたと言って

 

アイスコーヒーとパフェを頼んだね

 

クリームの上のイチゴをつまんで

 

こういう時でないとイチゴ食べられないから、そう言ってたっけ

 

私は母がデイから帰ってくるまでに大阪へ帰らねばならないから

 

ゆっくりする間もなく別れたけど

 

真理さんの真理に生きると書いて「まりお」と名付けた赤ちゃんネコ

 

家へ連れて帰って3時間で亡くなってしまった

 

赤ちゃんネコは容体が急変することもあるので

 

真理さんが悪いわけではないんだよ

 

その時に見た真理さんを私は「いもうと」とすることに決めたんだ

 

裕福に暮らしているようには見えなかった長い髪のいもうと

 

あの時から、そして亡くなった今でも

 

あなたは私の可愛いいもうとです

 

色んなことがあったけどいもうとのためになら頑張れた

 

でもね、私もちょっと年を取りすぎたもんで、もう頑張れないのよ

 

あなたを見送ったから、今度は私がゆっくり歩いてそちらに行くね

 

また逢える日まで私を忘れないでね

 

「えつこちゃん」と呼んでくれたのは真理さんだけだった

 

えつこちゃんは真理さんをずっとずっと愛してるよ

 

可愛いいもうと、今度逢えるまで待っててね。