そういえば、優さんは社長を辞めたらしいです
仕事をする意欲がなくなっちゃったのか、体調的なものなのか、長男に社長を譲ってしまったようです。
悠々自適に、植物の世話を楽しんでくれていたらいいのにと思うけど、この暑い夏じゃあ植物を楽しむ季節じゃあないし、何をしていても私は知らないし関係もないことになりました。
時々、ふらっと一人出かける園芸店や植物園に、彼がいた頃を思い出したりすることもありますが、涙を流して懐かしむようなロマンティックなき持ちにはならない私です。
きっと、2人の今頃の会話はこうだったでしょう。
「鮎を食べに行きたいね、若鮎が美味しい季節になったよね。」
「だったら、山奥の岩魚のお店行きましょうよ。」
優さんと別れてから、まったく鮎や岩魚などの川の魚を食べに行くことがなくなってしまいました。
食も、同じ好み同じ価値観がある人と食べに行かないと美味しくない。あれは、彼という同じ食の価値観があった人だから楽しかったのです。
今はまだ、同じ熱量で植物巡りをしたり、美食巡りをする人は現れていません。
男性じゃなくて女性でも誰でもいいんですけど、やっぱり本音を言えば、優さんと巡る植物もご飯も本当に楽しかったのです。
たまにですけど、「死に目にも会えないのに」とか「葬儀に出られない立場なのに」とかう方もいますけど、私の場合生きている彼しか興味はないんです。
生きることにこだわった二人だからそうなったわけで、生きていない人のその後など私は興味はないんです。ほとんどそうじゃないの?
死んでなお、相続やら借金やらの問題があるのは家族のみ。もちろん、介護などする関係でもありませんもん。
社長じゃなくなった彼は、ちゃんとお小遣いもらえているのかしら?
健康でお幸せに暮らしてくださいね。
多分私、優さんが思うよりずっと元気で暮らしていると思います。だからあなたも…
フロックス フジヤマ
