昨年末にLED3個が点滅状態になり、あわててネット情報あさりをした結果、HDDの故障の可能性が高いと分かりました。

 

 電源 緑 でゆっくり点滅 REC 赤、IP 橙 で点滅:HDD故障パターン

 

 試行錯誤しながらなんとかHDDを交換して正常に稼働させることができたので、引き続き、FW2.6のHDDのクローン作成、オフライン(ローカル)でのFWアップデートなどの「nasneいじり」に挑戦していますが、どれも成功していません。

 自分はネット情報をみながらのコピペLinux使いのレベルです。先人の皆さんの情報があったおかげでHDDの故障したnasneのHDDを新品に交換することができました。

 先人の皆さんはLinuxの知識・技量も高く、そのままコピペだけではすまないことも多かったです。(その分、Linuxの勉強になりますが)

 そこで、今後のnasneいじりの際に必要になるHDD(SSD)交換のコピペ手順を覚書としてまとめてみました。  

 レベルが高い先達のHPはポイントになるエキス部分に絞って掲載されています。ここでは、コピペレベルの自分が困ったことなども記載したいと思います。泥臭くて見にくいのは勘弁してくださいね。

 なお、参考にさせていただいた先人のブロガーの皆様に心より感謝申し上げます。

 (参考HPは最後に掲載します。)


◆必要なもの◆

・nasne(sony版)

・Linux環境(私はRaspberry Pi OS 64bit Bullseye)

・FW1.00のファイル -- 00550066.dlm

 ※ファイルサイズ 20.3MiB (21,287,161 バイト)
 ※md5:

    1c921378f2a7846a6492982c98c82fcd
 ※sha256:

  104ad970dc3fa61fa2394ce1fbd329c9522d64f04fee8e05637ed820f24600e9   

 

 求め方(ファイルを/home/pi/Workに配置の場合)
  md5sum /home/pi/Work/00550066.dlm
  sha256sum /home/pi/Work/00550066.dlm
 
・交換用DISK(HDD・SSD)とUSB接続の外付けケースかアダプタ


◆FW1.00のファイルの入手方法◆


 これが一番の肝です。FW2.60にアップデートしたnasneからは取得できません。500GBで購入時のFW1.00のまま運用してるnasneがあるか、そのnasneのHDDのイメージバックアップがないとHDDからは取り出せません。
 

  FW1.00のDISKイメージからHDDにリストアするか、FW1.00がインストールされたHDDを用意して、sys1パーティションの33004400ディレクトリ内にあるFW1.00のファイル00550066.dlmを取り出します。

 /33004400はバックアップディレクトリで数回ファームウェアのアップデートするまではFW1.00の00550066.dlmが残っているそうなので、1.00からアップデートされたnasneでも入手できる可能性はあるかもしれません。ファームウェアを2.xx系にアップデートした場合は無理そうです。

 所有するnasneは全て2.60だったので、私のようなコピペLinux使いは、以下の方法でしか入手できません。

・【FW1.00で起動する中古のnasneを入手する。】
  ※オークション、フリマサイトで探す。(1万円前後が相場のようです)

・【HDD換装サービス:FW1.00版を利用する。】
  ※基盤正常でHDD故障の場合に限る(用意したHDD+故障nasne+交換手数料:

   4,000円前後)

・【ネットをググりまくる。】
  ※nasne HDD故障 HDD換装 ファームウェア1.00 ダウングレードなどの思い

   つくキーワードを組み合わせてでググりまくる。

  ※試行錯誤の時間と根気が必要



◆HDD(SSD)交換のコピペ手順◆
 ※HDDを直接操作するので間違えるとデータが消えます。自己責任でどうぞ。


【事前準備】
・HDDの取り出し作業:

  分解方法はネットに沢山あります。注意点は本体のネジ止めカバーをこじって外

 すとき、カバーの細い足が折れやすいのでそっと外すこと。(私は最初の一個目で

 折りました。)

  4個ネジを外したら、裏返してカバーを外します。基盤ははめ込みですので手で

 外せます。BSカードを外しておかないと引っかかって基盤が外れませんので注意


・作業環境:
  ラズパイ4B : Raspberry Pi OS 64bit Bullseye

・xfsprogsパッケージのインストール:
  userパーティションのファイルシステムが XFS のため
  ※インストールは ---- sudo apt install xfsprogs

・作業ディレクトリの作成:
   /home/pi/Work(00550066.dlmの配置用)

・交換するDISKの用意と接続:(DISKが /dev/sdbであることを確認)

  ※DISKを接続したままPCのON・OFFしていると起動デバイスが変わって

   しまう場合がある。(気付かずOSのDISKを消した経験あり。ガサ!)
  ※ OSの起動DISKは /dev/sda1であることを確認、HDD・SSDは新品でな

   くても良い。

・arp-scanのインストール(お好みで):
  ※sudo arp-scan -l --interface wlan0(eth1)

   でLAN内の接続端末の情報が分かります。
  ※インストールは -----  sudo apt-get install arp-scan



◆起動用DISKの作成◆

【ファームウェアの配置】


 00550066.dlm(ver1.00) を作業用の /home/pi/Workに配置
 ※パーミッションは所有者とグループがpiでも問題ないです。



【パーティションの作成】

 パーティション削除と初期化(新品のDISKでも実施)


 sudo sgdisk -Z /dev/sdb
 

 fdiskでMBR用の3つのパーティションを作成


  sudo fdisk /dev/sdb
    n
    p
    1    
    2048(デフォルト)
    526335    ※使い回しのDISKの場合、

            Created a new partition 1 of type 'Linux' and of size 256 MiB.
            Partition #1 contains a ext3 signature.

            Do you want to remove the signature? [Y]es/[N]o:

            などと表示されることがあるが、Y でOKです。以下同様
    n
    p
    2
    526336(デフォルト)
    2623487


    n
    p
    3
    2623488(デフォルト)
    X     ※最後のSectorをXで指定する。最後のブロックまで使うならENTER

        でOK

 

    a      ※aでブートフラグを設定します。
    1
    w(書き込みして終了)

  ※wで書き込む前にpで設定状況を見られます。間違っていた場合は、d で間違っ

   たパーティションを削除して再度 n で設定できます。

【パーティションの確認】

    sudo fdisk -l


 (パターン1):オリジナル
       Device     Boot     Start            End       Sectors      Size    Id Type
       /dev/sdb1  *       2048     526335       524288   256M    83 Linux
       /dev/sdb2        526336    2623487     2097152        1G    83 Linux
       /dev/sdb3      2623488   *********    *********     ***G    83 Linux
  ※sdb3はDISK容量によってENDとSectorsの値が変わります。

 DISKのパーティション作成やフォーマットはHDDを使用した場合結構な時間がかかるので、120GBや256GBのSSDを使いました。成功するまでの試行作業時間の短縮のため、userパーティションは100GBに設定して作業しました。

 その際、新しく購入したSSDでパターン1のオリジナルのようにパーティションを作成しようとしたところ、fdiskのfirst sectorのデフォルト値が65535で、2048とするとエラーで入力できない事象が発生しました。fdiskでパーティションをうまく切れない場合もあるようです。

 1TBのHDD(TOSHIBA MQ04ABF100)ではパターン1のとおりデフォルト値でパーティションが切れます。(知識不足のため原因は不明です。GPartedを使えばこのSSDでもパターン1のとおりパーティションを切れました。)

 そこで、first sectorのデフォルト値(65535、655350、2818005)を採用してパーティションを切ったのがパターン2です。sdb1、sdb2パーティションのセクター数はオリジナルに合わせます。各パーティションとの間に空きがありますが、いまのところios版(torne mobile)(Video&TV SideView)での録画再生に支障は出てません。

 sdb3のuserパーティションはXFSのためGPartedでSSDのMaxまで拡張して使ってみました。短期間の運用でしたが支障はありませんでした。
  
 (パターン2):start sectorをfdiskのデフォルト値とした場合
    Device     Boot     Start              End          Sectors       Size    Id Type
    /dev/sdb1  *      65535        589822          524288    256M    83 Linux
    /dev/sdb2        655350      2752501        2097152        1G    83 Linux
    /dev/sdb3      2818005  212533204.    209715200    100G    83 Linux


【3つのパーティションをフォーマット】

 sdb1-3がマウントされていた場合はフォーマットできないのでアンマウント


    sudo umount /dev/sdb1
    sudo umount /dev/sdb2
    sudo umount /dev/sdb3

 フォーマット

     sudo mkfs.ext3 -F -L sys1 /dev/sdb1
     sudo mkfs.ext3 -F -L sys2 /dev/sdb2
     sudo mkfs.xfs -f -m crc=0 -d agcount=8 -i size=256,attr=2,projid32bit=0 -L user -n ftype=0 -s size=512 /dev/sdb3
  ※最後のsudo mkfs.xfs -f.............は、一行でコピペしてください。スペースは半

   角です。 

  ※agcount=8オプションで/dev/sdb3をフォーマットしていますが、ネット情報

   では、オリジナルの1TBのHDDならagcount=4、2TBならagcount=8、他に

   独自調査で2TBならagcount=9とオプション指定している例もありました。

   詳しくないので、ここでは8で設定しています。



【ファイルの配置】


  パーティションsys1にセットアップ用のファイルを以下の構成で配置する。

     ├── sys1
     │   ├── 00110022.dlm
     │   ├── 00550066.dlm
     │   └── 55006600

     │       └── 00550066.dlm
     ├── sys2(自動作成される。パーティション作成とフォーマットのみで良い)
     └── user(           同  上              )   
 


【ファイル操作】

 

 sys1パーティション(/dev/sdb1)を /mnt にマウントしてファイルを配置

    sudo mount /dev/sdb1 /mnt
    sudo mkdir /mnt/55006600
    sudo cp -a /home/pi/Work/00550066.dlm /mnt/55006600/
    sudo cp -a /home/pi/Work/00550066.dlm /mnt/
    sudo touch /mnt/00110022.dlm

  最後の操作ですべてゼロで埋められたファイル00110022.dlmが生成される。

    ※touchコマンドではなく次の操作でも良い。お好みで。
     sudo dd if=/dev/zero of=/mnt/00110022.dlm bs=1 count=148

  sdbのアンマウントを確認してファイルの配置完了


    sudo umount /dev/sdb1
    sudo umount /dev/sdb2
    sudo umount /dev/sdb3

 以上で起動用DISK(セットアップ用)のDISKの作成は完了なのでDISKを外す。



【セットアップの開始】

1.nasneにLANケーブルを接続(インターネットに接続必須)

2.DISK本体をnasneに接続して電源ON

3.そのまま2~3分経つと電源・REC・IPランプの3つが点滅する(エラー状態にな

 る)のでいったん電源プラグを抜く。
 ※この時点で起動に必要な当該nasneの個体データ(00110022.dlm)がsys1に生成さ

  れ、再起動後正常に起動するようになる。

4.電源プラグを差しnasneを再起動させる。

5.sys2、userが自動生成されてFW1.00で起動すれば成功です。

6.アンテナケーブルを接続する。

7.ブラウザからnasne HOMEにアクセスしてFW2.60にアップデート後、チャンネル

  スキャンを実施してDISK交換は完了です。(私はIPアドレスを固定)

8.nasne HOMEにアクセスする前に

    sudo arp-scan -l --interface wlan0(eth1)

  とすればLAN内の接続端末の一覧が取得できて、稼働したnasneのIPアドレスを

 すぐ探せます。

    192.168.XX.XX  00:xx:xx:xx:xx:b3 Sumitomo Electric Industries,Ltd

  が見つかるのでIPアドレスとMACアドレスが分かります。



◆HDD(SSD)交換で分かったこと◆

1.LAN接続(インターネット接続)が無いと、セットアップもバージョンアップも

 できない。

 2022.06.26追記訂正:LAN接続無しでも可能なことを確認しました。

2.作成した起動用DISKは他のnasneのセットアップに使える。

3.FW1.00で正常起動したDISKは起動したnasneでしか使えない。(他の個体ではエ

 ラーになる)

4.FW2.60で稼働しているnasneにFW1.00で正常起動するDISKを取り付け起動させ

 ると、FW2.60のDISKはエラーで使えなくなり、再度、起動DISKとしてsys1のファ

 イルを配置し直す必要がある。(sys2,userはそのままで良い)

 

 電源赤 REC赤 IP橙3つ点灯しエラーで起動しなくなる


5.DISK交換する場合、DISKが生きていれば事前に録画番組をPC TV PlusやDIXM

  MEDIA SERVERなどのアプリで番組をPC、NASなどにバックアップする必要があ

 る。(旧DISKは使えなくなる。)

6.同じDISKで色々ファイル構成を変えたりしていて何回かエラーになると、不正な

 DISKとして記憶され使えなくなる場合がある。その場合はFW1.00で正常稼働する

 DISKで起動することで、再び使えるようになる。

  つまり、FW1.00のDISKをDISKエラーのリセット用DISKとして用意しておくと良

 い。nasneいじりをしたい人には便利

7. FW1.00の00550066.dlmとnasne(基盤正常)があれば、いつでもDISK(HDD・

     SSD)の交換が可能(セットアップ用の起動DISKも用意しておけば完璧)

 

 

◆今後の宿題◆

1.オフラインセットアップ、アップグレードは本当にできないのか?
  ・ネットではインターネット接続の有無について記載された記事は殆どない。
  ・5ちゃんねるなどには手動アップデート方法が載ってるが、うまく行かない。
  ・SONYのサーバーが終了しても、nasneが壊れるまで使いたい。
   2022.06.26追記訂正:LAN接続無しでもセットアップとFWのアップデート自 

   体は可能なことを確認しました。


2.任意のバージョンに更新できるのか
  ・セットアップと同じ手法で任意のバージョンを更新する方法は既出だが、自分

   のnasneではうまく行かない。
  ・設定が間違っているだけかも。(自信なし)
  ・HDD交換のセットアップ時に一気にFW2.60にできれば楽ちん(あまり必要性

   ないかも)

3.FW2.60のHDDのクローンができるnasneとできない個体があるとのこと。できる

  nasneはどんなやつ?
  ・FW1.00以外のnasneのクローンはできないと思っていた。(自分のnasneでも

   2.60ではできない)

4.HDDから録画番組のバックアップをとる。
  ・nasneの録画データーはファイルマネージャでは見えないそうで、録画データの

   インデックスが保存されており、データはそれに基づき直接セクターに書き込

   まれているとの情報がありました。(自分では手出し不能みたい)

 

 

 

◆終わりに◆

 コピペおじさんのレベルを超えた宿題ばかりですが、気長に「nasneいじり」を楽しみたいと思います。記載内容に間違い、疑問などあればコメントしていただくと助かります。
 このブログの内容のチェックをしているときに1台のnasneが電源が入らなくなり壊れました。長らくお世話になったものだと感傷に浸っています。 

 

 

 

◆参考にさせていただいたHP◆

 以下の3人の方のブログを参考にさせていただいたお陰で、HDDが故障したnasneの

DISKを交換することができました。心から感謝申し上げます。

 

【参考サイト】

nullunさんのブログ
nasneのハードディスク換装方法(FWバージョン不問)
https://nullun.net/log/?p=198

ちよさんのブログ
SONY 版 nasne の HDD 交換・換装
https://note.com/chiyoz/n/n7f1b752cc504

zutukuさんのブログ
人生は何が起こるかわかりませんね〜
https://ameblo.jp/zutuku/