ごめんね
綺麗な顔立ち、小顔でベリーショートが似合う彼女
ボーイッシュな格好を好んで着こなしていた
女性らしい格好をするのをとても嫌がっていたので、性同一性障害なのかと思った事もあった
彼女は、どうしようもないアタシを友達と呼んでくれていた
今でも、何故アタシにくっついていたのかもわからない
アタシは彼女に対して、好意的な態度で接していなかったのに…
彼女はアタシを他の人とは違うアダ名の呼び方をしていた
「そのアダ名で呼ばないでよ!」
と言っても笑って
「アタシはこの呼び方が好きなの」
と、やめることはなかった
彼女の周りには「女子」が多くまとわりついていた
女子高の世界みたいだったな(笑)
なので、アタシを良く思っていない女子は居て
「何であの人と一緒に居たがるの?」
と聞かれたらしい
「わかんない…でも、気になって仕方がないから」
と答えたとアタシに報告してきた事があった
「一緒に居て」とお願いした訳ではない
何故、一緒に居たのかもわからない
アタシがどんなにヒドイ言葉を投げ付けても離れようとしなかった彼女
それでも彼女はアタシに優しく接していた
アタシは、その優しさに甘えていたのだ
遊びで、嫌がる彼女に女性の格好をさせて、化粧もして
化粧をしたのはアタシだったけど、ビックリする程「綺麗」になった彼女
「凄く可愛くなるのに、どーして男みたいな格好すんの?」
少し恥ずかしそうに
「自分が可愛いとか思っていない!…」
「ただ…お姉ちゃんのお下がりが嫌で男っぽい格好をするようになって…女っぽい格好が自分じゃない気がして抵抗がある…」
彼女のお姉さんも綺麗な女だった
美人姉妹なのに勿体無い!と言った事もあったが、お姉さんと比べられたりするのも嫌だったみたいだった
お姉さんにも
「この子、女の子にしてあげて!アタシが言っても聞かないから!(笑)」
と言われた事もあったなw
お母さんにも
「いつまでも仲良くしてあげてね」
おばちゃんゴメンね
アタシ、仲良く出来なかった…
お姉さん、お姉さんの彼氏さん、お母さんにも「仲良くしてあげてね」と言われたのに彼女の手を離してしまった
世の中なんてどうでもいい、誰も信じられない、自分に自信なんてない、闇の中に居た
そんなアタシの側に居た彼女
「何かをして欲しい訳じゃないんだけど…何か、寂しくて…」
とうつむく彼女に
「貴方自身がしたいようにすれば良いと思うよ」
と離してしまった
取り巻きの女子から色々言われて…と言っていた彼女
自分から人が離れていくのも慣れていた、感情のない言葉を平気で吐き出す人間、最低な人間のアタシに彼女の寂しさは届かなかった
「ごめんね…もう付きまとわないから…」
目を合わす事すらせず、振り返る事もせず、彼女はその日からアタシの前に現れなかった
涙は流していなかったが泣いている様な姿
その最後の姿だけ記憶にある
その時のアタシの冷たい感情も記憶にある…
彼女は元気なのだろうか?
今更だな
「ごめんね」