メールマガジンは続けていたものの、このブログの更新をずっと怠っていました。

でも、今回あるきっかけで反省しましたので、掲載していなかったものをどんどん
載せていきます。一気に50回分くらい上げますので行間が詰まったままですが、
その点はご容赦ください。          2011年10月21日 黒崎




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◆【旅のものがたり】
        株式会社いい旅ホームページ  http://www.etours.jp
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2011年4月8日号
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おはようございます。株式会社いい旅の黒崎です。

「旅のものがたり」は、素直な好奇心で、先入観なく世界や日本のことを
楽しもうと始めた企画です。雑学や話のネタとしてお楽しみください。

題材は基本的にいい旅のツアーから選んでいますが、時々日本の話や旅と
は関係ない話も登場します。

それでは早速、今回のものがたりをご紹介しましょう。

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【第79回】   

           「増える薬」


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昔ある国で、不思議な薬がはやりました。

その薬を飲むと生命力が増し、不老長寿をもたらすと言われたため、欲しが
る人がどんどん増えました。

欲しがる人が増えると、薬が足りなくなり、材料を探して商売をする人が増
えました。

その薬の材料は、ある特別なものでした。

そのうち材料も少なくなって見つけにくくなったため、人々は危険な旅をし、
時には帰らないこともありました。

すると不思議なことに、薬の材料が増えました。

また取りに行く人が増えると、材料は減ります。でもその一方で、帰らない
人がいるとまた増えるのでした。

さらに不思議なことに、帰らなかった人の分だけ、薬は増えるのでした。


こうしたことを繰り返すうちに、薬は広い地域で飲まれるようになっていき、
その名前も広く知られるようになりました。


その薬の名前は、木乃伊(ミイラ)といいました。

人の手によってつくられたものもあれば、時には自然に出来たものもありま
すが、主に遺体が乾燥し、腐敗せずに保存されたものをそう呼びます。

現在の感覚では奇妙な感じを覚えますが、人体であるミイラを細かく砕いた
薬は、ヨーロッパからアジアまで知れ渡り、かつては広く飲まれていたのです。

死んでも朽ち果てず、姿を留める様子から、不老長寿を思い起こしたのか、
何かの思い違いが誤って伝わったのか、とにかく人々がこぞってミイラ薬を
飲んだ時代があったのです。

ミイラ取りはミイラを求めて、乾いた砂漠を渡り、暗く危険な墓に忍び込ん
だことでしょう。

そして時には命を落とし、そのままミイラになることもあったことから、「ミ
イラ取りがミイラになる」という諺が生まれたと言われます。

本当に薬に利用されたかどうかはわかりませんが、何とも皮肉な話ですね。


▼もうちょっと知りたい!↓

ミイラという名は、ミイラを作るときに防腐剤として使われた、「没薬(もつ
やく)」という木の樹脂を表すものです。

没薬は「ミルラ」とも呼ばれ、これが転じてミイラとなったようですが、名前
と効果が混ざって理解された経緯があるのでしょう。

現在、ミイラは砕いて飲むよりも学術的に保存されたり、研究に利用されるこ
とがほとんどでしょうけれど、こうした歴史もご存知だと良いかもしれませんね。


▼オマケの話

※ミイラ薬は粉末状なので、わざわざ危険を冒して取りに行くより偽物をつくる
方が楽だったことでしょう。また、遺体が自然にミイラ化することは稀なので、
どれほどのミイラ取りが実際にミイラになったのかは不明です。

※ミイラ薬は、中国から漢方薬として日本にも伝わり、江戸時代には大名の間
で人気だったと言います。ちょっと怖い話ですね。

※木乃伊という漢字は、英語のmummy(マミー)、またはオランダ語のmummie
モミー)の音に当てたものだと言われます。

それでも少し語感が異なるのは、中国語として読んだ場合の発音も影響を与え
ているためのようです。


▼これであなたも物知り博士?

「古代エジプトのミイラづくりでは、内臓類は体外に出され、壺に入れられま
した。ただ、不要なものとして捨てられたものもあります。それは?」

A.心臓
B.肺
C.脳



答え:脳

古代エジプトでは、脳はただ鼻水をつくる臓器と考えられており、人間の精神
は心臓に宿るとされていました。

そのため、逆に心臓は取り出されることなく、体内に残されました。
心臓を取り出してしまうと、せっかくミイラにしても来世で再生できないとい
うのがその理由です。

取り出された臓器は、カノプスの壺と呼ばれる壺に納められました。


▼編集後記

子供の頃に感じたことですが、現代の人には基本的人権があり、亡くなった後
もお墓を暴くなどもってのほかで、許されない行為です。

ところが古代の人は、研究という理由で発掘され、保存という名目で博物館に
収められます。この違いは何なのでしょう。人には変わりないのに、人権は古
代まで及ばないようです。

今では学術的な意義も分かりますが、それにしても砕いて飲んでしまうのはや
り過ぎですね。
きっと薬を飲んでいた人は、知ってはいてもあまり意識しなかったのでしょう。


▼ものがたりに学ぶ、今週の教訓

「かつての常識は、今日の非常識」


最後までお読みいただき、ありがとうございます。


★次回 旅のものがたり

「見えない作品」(仮)


それでは、次回の「旅のものがたり」をお楽しみに!


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「旅のものがたり」  

発行者:株式会社いい旅
執筆 :黒崎 康弘
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