【第55回】




          「舞を継ぐもの」





ある場所に、大きな川が流れていました。



川の流れが豊かな土を運び、たくさんの作物が取れたので、徐々に人が
集まるようになりました。


川に船を浮かべて荷物を運び、取引が増えたので、たくさんの商人が訪れ
るようになりました。


たくさんの人が集まったため、ごちそうを用意するようになり、料理ととも
に、お客をもてなす芸も発達していきました。



それらが評判となって、もっと多くの人が集まるようになり、料理屋は立派
になり、芸も磨かれていきました。


おもてなし役は歌を歌い、楽器を奏で、美しい舞いを踊りました。


もっとも賑やかだった頃には、豪華な料理屋が建ち並び、多くの踊り手が
出入りしていたといいます。



でも次第に陸の交通が発達すると、訪れる人の数は次第に減って、料理屋は
減り、踊り手も減っていきました。


そうして、残った踊り手はほんのわずかになってしまい、料理屋も街も、
元気がなくなってしまいました。


これではいけないと考えた街の人達は、文化と芸能を受け継いでいくために
知恵を絞りました。


そうして、伝統の技を受け継ぎつつ、今の時代にもあった形を生み出したの
でした。



会社がつくられ、社員はかつての芸者さんを師に、毎日稽古を積みました。

歌や三味線、そして舞を教わり、徐々に身に付けていきます。


こうして生まれた若い芸者さんには、新たに舞子(まいこ)という呼び名
がつけられました。


伝統の舞を受け継ぎ、子供の代に引き継ぐ存在となることを期待されたの
でしょう。



最上川の流れと共に歩み、時代の流れに活気を失いそうになった、山形。

新たに生まれた山形舞子達は、老舗の料亭で過ごすひと時に、華やかな彩り
を添えてくれます。


また、イベントへの出席や海外遠征も行い、より大きな文化交流の担い手
にもなりつつあります。


山形を訪れた際には、郷土の伝統を受け継ぎ、新たな文化として次代へ
引き継ぐ山形舞子に、ぜひ会ってみてはいかがでしょうか。




▼もうちょっと知りたい!という方はどうぞ。↓


※平成8年に会社を設立、翌年には「山形舞子を育てる会」も発足しました。

山形舞子は毎日踊りの稽古をし、化粧は自ら行います。また、舞子としての
名前も自分で考え、師匠と相談して決めるそうです。


生半可な経験はない方が良いとの考えから、18歳以上の、踊りや歌などの
経験のない女性が、試験で選ばれて入社します。




▼オマケの話


※舞子さんに直接聞いた話ですが、海外に出張したり、外国人のお客様が来る
ことも増えていて、英語ができればもっとお話できるのにもどかしいとのこと
でした。


この辺りの改善も進みつつあるようで、来期入社する中には、外国語に通じた
人もいるそうです。毎日のお稽古に、外国語が加わる日も遠くはなさそうですね。




▼山形はこんな場所



9月の終わりに、初めて山形に行って来ました。


山形というと何を思い起こされるでしょうか。芋煮?(3

回食べました)、山寺?(登りました)。


食べ物は、漬け物寿司がさっぱりして見た目にもきれいで、おいしかった。


ゲソ天ラーメンはゲソ天がインパクト大で、ラーメンそのものもおいしい。


冷やしラーメンは、残念ながら食べる機会がありませんでした。


山形の人たちはラーメンが大好きなのだそうです。


芋煮は里芋の他に牛肉やキノコも入って、結構なごちそうでした。


量がないとおもてなし不十分とのことで、かなりボリュームのある食事が
多く、水と米がおいしい場所なので食いしん坊にはおすすめです。


宿泊した七日町ワシントンホテルは、シングルの部屋は広くはありませんが、
1階に大浴場があるので良かった。蔵王の地下100mから汲み上げた地下水
を使用しているそうで、きれいで快適でした。1階にはローソンもあり、ビジ
ネスホテルには珍しく、トリプルの利用が可能です(ソファーがベッドに)。


遠い場所だと思っていたのですが、新幹線で東京駅から2時間半ほどで着く
んですね。ノートパソコンを出して、「旅のものがたり」の原稿を書いて
いたらすぐでした。



▼編集後記


食べ物の話ばっかりですが、一応理由があります。


AJ(アドベンチャー・ジャパン)という雑誌を発行している会社の方々と
付き合いがあり、今回は、ある企画の取材に同行したのです。


AJは、日本語、英語、中国語など5ヶ国語で日本の文化を紹介するフリー
の雑誌で、年に4回ほど発行されて空港などに置かれますがすぐなくなって
しまうそうです(現在2万部ほど発行)。


美しい写真と正確な文章で魅力が紹介されているので、「連れてって。」と
いう声が増えたのだそうです。


そこでご縁があって、当社、いい旅で旅行を実施することになりました。



▼これであなたも物知り博士?



「次のうち、山形で本当に売られている飴(あめ)は?」


1.ラーメン飴
2.ゲソ天飴
3.芋煮飴




答え: 芋煮飴

漬け物の老舗、「丸八」さんで見つけて、ご主人がくれたので実際に
食べてみました。


初代は残念な味だったそうですが2代目は改良されており、芋煮の、
スキヤキにも似た味がして面白かったです。


醤油やネギの風味を持つ飴というのは斬新です。



▼ものがたりに学ぶ、今週の教訓


「古き伝統も、変化を恐れなければ、引き継がれる。」


伝統の芸と言えども、そもそも多くの工夫や改良を重ねて今の姿がある
ことを忘れてはいけませんね。



最後までお読みいただき、ありがとうございます。


★次回 旅のものがたり

「矛盾」(仮)


それでは、次回の「旅のものがたり」をお楽しみに!