先日、知人から「ヌードルハラスメント」ということばを聞き、初めてその言葉を知りました。
念のために自分の認識に間違いがないかを確認するのに「ヌードルハラスメント」をGoogle先生に質問。
案の定、麺類を音を立てて啜ることに対して過度に反応していることでした。
わたくし、マナーを重んじる人間ですが、
だからこそこのヌードルハラスメントは理解に苦しみます。
わたくし自身は幼いころから「飲食の場では音を立てないように」と躾けられたので、普段のお食事ではあたりまえに何かを啜って音を立てながら食べる、ということは致しません。
普段のお食事でそうしたことを同伴者はおろか、外食時に店内にいる別のお客様がそうしたことをしているとすさまじく不快になります。
それはもう、すごい剣幕で睨みつけそうにもなります。
そして、わたくしは麺類もなるべく音を立てずにいただくクセが付いています。
でも、麺類...とりわけ「お蕎麦」はまったく別物だと思います。
お蕎麦ツウの方の便を借りると、お蕎麦はずるずると啜ってこそ、鼻腔で蕎麦の香りを楽しめるそうではないですか(たぶん、ざるそばのお話だとは思いますが)。
食べ物それぞれに、適した「食べ方」があるのです。
蕎麦打ちの方からしてみれば、啜って鼻腔をくすぐる香りを楽しんでこそ蕎麦であり、お蕎麦を食べるときのマナーなのかもしれません。
わたくしもお蕎麦屋さんでは粋に啜って食べてみたいものだと思いつつ、長年の癖もあり、できた試しがないので実際のところがどうなのかは分かりませんが...
ただ、日本には日本の粋や作法というものもあるのです。
茶道のお抹茶だって、最後に「ずっ」と音を立ててすべて啜ってしまうのが習わしですが、理解していても、お茶のお稽古に通っていた頃も「音を立てて啜る」という行為に抵抗があり、なかなかできませんでした。
けれど、利休さんの時代から継承されているその作法に「音を立てて啜るだなんて!」などとクレーム紛いのことを言おうなどとは微塵も思わないどころか、臨機応変に必要な時にはそうしたことも粋にこなせる自分になりたいとさえ思います。
マナーはお相手を思うこと。
その歴史の中にある経緯や人々の想いも感じ取り、汲みとり、
敬意を表現する非言語のコミュニケーション。
本質を無視すると、ちょっと違うことになってしまいますよね。
個人的には麺類を啜る音よりも、これからの季節は残り少なくなった、氷が入った飲料をずずずっと威勢よくストローで啜る音の方がよっぽど耳障りで不快極まりないです。
氷入り飲料やパックの飲み物の残りがすくなくなってきたら、ストローを啜るのも慎重に。
一瞬の気の緩みが「ずっ!」というなかなかの轟きを生み出すことも少なくありません。
特に飲食店ではこうしたことのないように致しましょう✨