沖縄のホテルに到着し、仕事の案内を受けた私たち。
初日は時間的に働けないから、明日からよろしく、とのこと。
寮の準備がまだできていないということで、私たちはしばらく客室で生活することになりました。
夜20時頃…案の定私の携帯に彼氏の母親から電話がかかってきました。
私の携帯番号を教えた覚えはないのですが、きっと彼氏の部屋にあったメモ帳を漁ったのでしょう。
彼氏に「誰かから電話がかかってきた」と言ったら「それ俺の母親」と言われました。
彼氏にスマホを渡すと「出たくない」と言い出すのです。
私のためとは言え、自分が話をせずに無断で家を出てきたからこうなることは分かっていたはずなのに…。
と、イラっとしてしまったまま私は電話に出ました。
やっぱり「うちの息子の行方を知らないか」という内容の電話でした。
- 彼氏が一緒に沖縄へ来ていること
- 彼氏が親と電話したがらないこと
これらのことをしっかり伝えましたが、やっぱり電話を替わって欲しいと懇願され、彼氏に交代。
2時間ほどの電話の後、「コスモちゃんの電話の対応が気に入らなかったって」
そう彼氏に言われました。
正直な感想は「は?」です。
私自身、そんな失礼な態度を取った覚えはありませんでした。
いきなり自分の陰口を言われ、それを報告され…。
意味が分かりません。
ここから私と彼氏の母親との関係が悪化していきました。
リゾートバイトの契約が無事満了し、私と彼は次のお仕事で大阪へ行きました。
大阪での仕事は、自分に合っていて、結構楽しかったのを覚えています。
大阪で仕事を初めて3ヵ月くらい経ったときのことでした。
いきなり彼氏の母親から「お前の両親にお前の居場所を教える」
そう脅されました。
パニックになった私はあまりの恐怖で冷静になることができず、仕事を休みがちに…。
結局仕事はやめました。
彼氏はそのまま継続。
しばらく彼氏だけの給料で生活していくことになりました。
私は、派遣先の担当者の厚意でそのまま派遣寮に住ませてもらえることに。
精神科に通いながら、自宅に引きこもる日々…。
なんのために生きているのか
なんで産まれてきたのか
そう考えるばかりの日々でした。
何をしててもつまらない。笑えない。
外出するたびに、今に実家に連れ戻されるんじゃないか、
彼氏の両親に無理やり引き離されるんじゃないか
いつか私は独りぼっちになってしまうのではないか…。
そう怯えながら毎日を過ごしました。
本当に怖かったです。
そんなときに出会ったのが、ホームセンターで売れ残っていたゴールデンハムスター。
とても可愛らしく、なぜ売れ残っているのかわかりませんでした。
彼氏と相談し、ハムスターを購入。
その日は雨が降っていたため、アメちゃんと名付けました。
アメちゃんが来てからは、毎日が少し楽しくなりました。
小さな体で一生懸命生きる姿に励まされ、私の心も徐々に回復。
私も頑張ろう!と思えるようになりました。
そんなとき、アメちゃんがコードを齧ってしまい、アメちゃんの口に傷が。
心配になった私は、彼氏と一緒に病院へ行くことに。
その日は大晦日に入る前だったので、連休が入る前に早めに行っておこうと思っていた時でした。
彼氏の両親が家の前で待ち伏せしていたのです。
彼氏の父親が大きな声で怒鳴っていました。
「連れ戻される!」
そう思い、私は相手に向かって傘を投げ、汚い言葉で罵倒し、必死に抵抗しました。(今思うと滑稽w)
もし、こいつらが連れ戻そうとするのならば本気で殺そうと思いました。
それくらい、私は自分の両親が怖かったんです。
警察が仲介に入り、彼氏の両親はそのまま帰っていきましたが、その時にはもう18時を回っていました。
アメちゃんのことが診られる動物病院は、すべて閉まってしまいました。
正月前の連休中に営業している動物病院はありません。
口のケガはどんどん酷くなっていく一方です。まだ生まれてまもないアメちゃん。免疫力も低く、体力的にも落ちていきました。
ご飯がまともに食べられず、どんどんやつれ、1月2日に亡くなりました。
私の膝の上で、小さく鳴きながら永眠しました。
どうしてあの時冷静に対処できなかったんだろう…無視して病院に行けばよかった話なのに…
そもそも私がアメちゃんから目を離していなければ…。
そんな後悔をしてもアメちゃんは帰ってきません。
私の中で、彼氏の両親に対する不信感や怒りは、恨みや憎しみに変わっていきました。
大切な家族が亡くなり、怒りに狂った私たちは彼氏家族と縁切りを決意します。
私は、働き始め、彼氏は転職という形で、私たちは引っ越しました。
住所に閲覧制限をかけ、どんな連絡が来ようと無視し続けました。
そして、今に至ります。
家賃4.5万円。1LDK。木造アパート。お庭付き。
贅沢はできないものの、彼氏の両親がその後家にくることもなく平和に暮らすことができています。
彼氏は携帯会社の社員、私は、WEBライターとして仕事をはじめ、それなりに稼げるようになってきました。
私の精神状態もかなり落ち着き、彼の母親から脅迫まがいのメッセージが届いても、冷静にスルーできるくらいにはなりました。
家もお金もなかった私にご飯を恵んでくれたり、相談に乗ってくれたことに関してはとても感謝していますが、自分の息子が自分で決断して勝手に行動したことについて私が責められる意味が今でもわかりません。
「彼女に洗脳されている」
何度も言われた言葉です。
私は沖縄に行く前、何度も彼氏を説得しました。
「親に一度相談した方が良い」と。
しかし、それでも私に付いていくと決断したのは他でもない彼です。
航空券を取得したのも彼です。大学をやめると決意したのも、両親に無断で沖縄に行くと決意したのも彼…。
また、私の両親は警察や児童養護施設の方から私への接近禁止命令が出ています。
警察や児童養護施設の方が認めるほどの毒親に、私の居場所を教えるなんて、人の親がすることではないと感じました。
でも、19歳だったのにも関わらず無知で無責任すぎる私の行動も悪かったです。
そもそも、彼氏に相談をしたことが間違いだったんです。
19歳の馬鹿な私には、正しい判断能力がなく、取るべき行為が何なのかわかりませんでした。
無知は罪。
24歳になって痛いほどわかります。
自分の両親に関する過度な相談や、自分勝手な家出がどれだけたくさんの人に迷惑をかけたか。
それが想像できなかった自分が情けなくて仕方ありません。
全国の家出少女たちに言いたい。
あなたたちが相談するべき人は、SNS上の人間でもなく、彼氏でもなく周りの大人でもなく、毒親や法律に詳しい警察や児童相談所の方々です。
大人だからといって、みんながみんな正しい知識を持っているとは限りません。
過度に人に期待したり、信用したりすると痛い目を見ます。
どうか友達や彼氏を宛てにしないで。簡単に人を信用しないで。
弁護士・警察官・児童保護施設・女性相談センター
頼っていいのはこの4つだけです。
毒親育ちの少女たちが少しでも生きやすい世の中になることを私は祈っています。
~終~