ブログやYoutubeの広告収入など、本業とは別に一定の収入があるという方も増えてきているようです。
また、事業所得・雑所得でケーススタディをして、メリット・デメリットをまとめられているサイトもあります。
これについて、一定のメルクマールがまとまりつつあるのをご存知ですか?
所得税基本通達の改正に関するパブリックコメントの募集
パブリックコメントとは、国の行政機関が政令や省令等を制定・改廃する際に、政省令の案を公表し、この案に対して広く意見・情報を募る手続をいいます。
8月末まで、改正が予定されている所得税基本通達35-1、同通達35-2についてその改正案が公表されています。
どのような改正か?
●(新)所得税基本通達35-1案(抄)
(12) 譲渡所得の基因とならない資産の譲渡から生ずる所得
(営利を目的として継 続的に行う当該資産の譲渡から生ずる所得及び山林
の譲渡による所得を除く。)
●(新)所得税基本通達35-2案(抄)
(7) 営利を目的として継続的に行う資産の譲渡から生ずる所得
(8)注 事業所得と業務に係る雑所得の判定は、その所得を得るための活動が、
社会通念上事業と称するに至る程度で行っているかどうかで判定するのである
が、その所得がその者の主たる所得ではなく、かつ、その所得に係る収入金額
が300万円を超えない場合には、特に反証がない限り、業務に係る雑所得と取
り扱って差し支えない。
続・ドローン節税封じ
収入金額300万円という形式要件への注目度が高いようであるが、もう1つの論点として、譲渡所得以外の所得として課税されるものとされている、”使用可能期間が1年未満の減価償却資産、取得価額が10万円未満である減価償却資産と、取得価額20万円未満で一括償却資産の必要経費算入の規定の適用を受けた資産について、タックスアンサー(No.3105 譲渡所得の対象となる資産と課税方法)では、”事業所得または雑所得となる”と述べていますが、これが雑所得と判断される方向となると思われます。
令和4年度の税制改正で貸付用少額減価償却資産の損金算入特例の改正がありました。
これに連動した考え方の整理がなされたものと思われます。
収入金額300万円の意義
個人事業税では、事業主控除という所得控除があります。
事業主控除とは、個人事業税を計算する際に一律290万円を控除するものです。
これを意識したものか・・・と最初思ったものの・・・そうではないですね。
今回の新通達案の300万円は所得ではなく”収入金額”です。
既にこの300万円について喧々諤々ご意見が出ているようですが・・・それはパブリックコメントの結果を待ちたいと思います。
事業所得と雑所得の区分の判断基準を確立する過程の第一歩としては意義ある改正かもしれません。