感動や爽快感を与える映画もあれば、
トラウマやショックを与える映画もある。
しかし不思議と、
後々何度も思い出して「ありゃあスゲー映画だったな…」となるのは後者だったりします。
後者の方「ミッドサマー」観ました。
半年ぶりにブログ書いてしまうほど久々にヤラレテいます。
息抜きに観に行ったのに息抜けなかったっていうね!
※最初にお願いしときます。
当てはまる人はゼッタイ観に行っちゃダメ!
・グロイのが苦手
・年配の全裸はちょっと…
・体調が悪い
・精神的に弱っている
・恋人と喧嘩中
・共感してほしいという欲求がある人
心身ともに健康で、「フーンそういう映画ぁ」みたいな俯瞰で見れる状態じゃないとヤラレます。
精神えぐられる系映画が好きな私でも、なかなか立てなかったゼ…
<以下ネタバレあり感想>
◆ストーリー◆
家族を亡くし失意のどん底。彼氏ともあんまりうまくいってないアタシ。
そんな時にスウェーデンの田舎に旅行に行くことに。
心温まる村人との交流に心の傷も癒えていくみたい…
彼氏の友達とちょっといい感じに♥
この恋の行方、どうなっちゃうの…!?
嘘です。
いや…あながち間違ってないかも。
正式なストーリーや考察については、
色んなブログやサイトで紹介されてるんで、
私はただただ個人的な感想をば。
結論から先に言うと、
最悪、
最低、
不快、
地獄、
でも最高の映画ともいえるかもしれない。
観終わった後のどっと疲れる感じ。
もう二度と見たくないと思うけど、
振り返ってみてそのとんでもなさに感心する。
この感覚は前に経験したことがある。
ああ、「マザー!」だ!
あれも途中で席を立つ人続出だったらしい。
結局日本では劇場公開されなかったんだっけか。
でもまあキリスト教がらみで色々難しかったのかも…。
これもほんと凄い映画でした。
絶対人に勧められないけど、ほんととんでもない映画!
確かこの映画(ミッドサマー)も、
「途中で席を立つ人続出」みたいな触れ込みだったと思う。
…ですよね!わかる!
私も何度も、
ここから逃げ出したい!帰りたい!
と思いました。
映画館ではなく、このスウェーデンの田舎のコミュニティ(宗教団体)から!
序盤はとことん暗くて恐ろしく、
「ああ、早く本編のあの森だか村だかに行ってくれ…!」
と思ってたけど、
もっと悪夢みたいな状況が待ち受けてるとは思いもよらなかった。
ていうか、
出会ってすぐ駆けつけ三杯的なノリでマジックマッシュルーム強制的に勧めてくる村とんでもねーよ!
文化の違いかもしれないけど、
私なら「ヤべーとこに来てしまった」とこの時点でドン引く。
白夜も地味につらい。
この環境にずっといたらそら頭おかしくなりますわ。
と思いました。癒されるかいな。
この村の映像、よくあるオシャレ映画的な、インスタ映えする彩度高めのカラーグレーディングじゃなくって、
なんか適度に枯れててその辺にありそうな広場というか…
そういうのも含めリアルで色々効いてくる。
ずっとなんだか曇ってるし。
良い環境であるはずなのに、全然うらやましくないというか(笑)
例の72歳の儀式も、日本も食い扶持減らすため、姥捨て山があったくらいだし、
その他もろもろも絶妙に実在した儀式や方式が入ってて、
あながちフィクションとも限らない。
なんだかドキュメンタリーっぽいので、実際あるんかなこの村?という錯覚に陥る。
ちなみに、72歳のシュッとしたおじいさんは「ベニスに死す」の美少年らしい。
この映画の凄いところは、
なんといっても音の使い方だと思う。
声やSEなど、
よくこんな不安を煽る不快な音が作れたなと驚く。
主人公ダニーのなき叫び声。
あれは凄い。
マジのやつや…
精神に異常をきたしてるんだな、というのが一瞬でわかる。
あんなの電話の第一声で聞かされたら怖すぎる。
映画館で久々に「ビック!!!」て3回くらいなりました。(エンジョイしてるやん)
死の間際のイビキとか、
行動と相反してる感動的なBGMとか、
あと、不快な歌ね!
アイツら四六時中ずっと歌ってやがるの!
何でもかんでも歌にしやがるの!
しんどっっ
何でもかんでも儀式儀式でまいっちまうぜ!
…かくゆう私も、
若いころは、ケルト文明とかケルト神話とかに憧れていたバリバリ中二病だったので、
そのころに見たら「ウッホー!カッケエエー!」てなってた恐れがある。
いや、今ですら、あの呼吸法とかマネしたくなった、
というかもうした。
奇妙な儀式の数々だけど、
日本人としてはやはりオウムがチラつきますよね。
あの宗教団体のコミュニティもこんな感じだったんだろか…
意外なほどのはっきりとしたグロ描写があって、ヒィ!ってなりました。
あ、そこまでしっかり映すんだ…みたいな。
でも後半死体がゴム人形そのもので、
え?これ人形?本人?なシーンが多かったけど、
これはR15に留めるための配慮かな?
いやいやいや、遅いっす!
しかし、そんなグロシーンよりもきっつかったのは、
やはりおセッセの儀式ですよね…
クリスチャンのジュースだけ赤みが強……
あ!!!
と気づいた時、わりとゲロ吐きそうでした。(あれの血入り)
しかしそんなのは序の口。
性交渉する二人を取り囲む全裸の老婆たち。
垂れ下がった乳をもみながらあえぐ老婆たち。
きつい
どんなグロシーンも耐えられるけど、
これは本当に自分はダメでしたわ。
男性は大丈夫なんやろか?
ウド鈴木あたりは喜ぶかもしれない。
とにかく、この人たちは共感する民族なんやな。
苦しむ人がいれば同じようにもがき苦しむ。
泣き叫ぶ人がいれば一緒に泣き叫ぶ。
まるで自分の身に起こっているかのように共鳴する。
自分の悲しみや苦しさを彼氏に共感してもらえなかったダニーにとっては、
やっと見つけた安住の地であるのかもしれない。
人が病むときって、
大体こういう部分の満たされなさが原因のような気がする。
もっと共感してほしい。
私の悲しみを誰もわかってくれない。的な。
この映画の感想で、
「癒された」「何度も観に行ってしまう」という意見も意外と多いのはそこかもれない。
逆に言えば、
そう感じた人はちょっと心が疲れてる状態なのかも?
私としては、
他人が他人の痛みを想像することはできても、
本当に理解して共感することなんてできないんだよバッキャロ―目ぇ覚ませ!だ。
例えば、
儀式で死にぞこなった老人に対して、同じように嘆き苦しんだのは、
本当にそれを感じているのではなく、
罪滅ぼしのポーズであり、そんな自分に酔いしれているのではないだろうか。
そう考えるととっても白々しい。
ミッド―サマーでの儀式はどれもトンデモないけど、
カルト宗教かと言われれば、
その辺の境界線が非常に曖昧だ。
昔からの文明を受け継いでいる。
と言われたら、なんだか神聖な感じもしてくる。
というか、
絶対に脱出できそうにない環境だとわかってたら、
もう正しいと思い込んで順応するしかないヨネ!
音のセンスが秀逸なこの映画のエンドロールの曲のチョイスも素晴らしく、
ポカ~ンと放心状態になるような上手い終わり方をしている。
エンドロールで席立った人はもったいない。
しばらく「…えええ…(^p^)」と放心状態になり、よろよろと立ち上がり振り返ると、
後ろの席の女性が吐きそうになってた。
わ・か・る!
凄い映画だった。しかしもう二度と見たくない。
でも今日眼鏡を忘れてしまい、
細部にちりばめられた伏線が良く見えなかったので、
もう一度見るしかあるまい…。