謹賀新年。本年が皆様の願いと希望が実現する年となりますよう念じ上げます。
旧年中は総選挙の結果、民主党政権が成立し、鳩山新政権は、コンクリートから人へのスローガンを掲げ、「福祉経済国家」の実現を謳っております。一方、自民党は経済成長なくして福祉なしの旗の下「経済福祉国家」の建設を推進して参りました。
 この二つの路線に共通して言える事は、我が国日本が他の先進諸国と同様、「成長段階から成熟の段階に入り込んでいる」という認識であります。私たちの日本は、間違いなくこの成熟経済の渦中にあり、この動きに整然と対処しながら、これらを克服・超越するため、本年も的確な指針と方向軸に基づき、間断ない挑戦を続けていく必要があると考えます。
 では、今までの国づくりのあり方を抜本的に変革し、新機軸を立ち上げるには何をすべきか。まず第一に、国会の革命的改革を断行すべきだと、私は確信しております。
 国会の革命的改革。それは何か。ただ一言にて言えば、「一院制の実現」です。私は旧年中、衆議院副議長として、一院制を導入している国・スウェーデンを訪問致しました。ご案内の通り、スウェーデンは高福祉・高負担の国として有名ですが、一院制の下、極めて逞しく堅実な国づくりに成功していると感じました。
 EU加盟国27カ国(ユーロ圏)の、2000年~2008年の9ヵ年の平均GDP成長率は、1.9%。一方、スウェーデンはこの間、平均2.7%の成長率を達成。突出した成功を収めています。なお、日本はこの間、平均1.5%の成長に止まっています。
 このスウェーデンの例をみても、経済発展を導くためには政治の力を最大限、効果的に発揮することが何よりも求められます。だからこそ、現今の衆参二院制度が果たして適切か否かを問い直し、両院の対等統合の上、一院制の国会を実現することが必要不可欠だと、私は考えております。
 衆院480名、参院242名、合計722名の国会議員を3割削減し500名のスリムな国会とします。一院であれば、審議はスピードアップされ、十分な質疑時間も確保されます。スリム化、スピード化により、国民のサービス(利益)も倍増します。国会が常に改革の先頭に立ち、率先して国会議員を3割減らせば、国・地方の行政機関も必ず追認します。国・地方の行革、スリム化の後に、国・地方の財政再建も達成されるはずです。
 一院制の実現には憲法改正が必要ですが、今年5月より、憲法改正手続法が試行されます。戦後65年を経て、やっと憲法の改正手続が可能となりました。私は、「一院制国会実現議員連盟」の会長として、今後10年を期して一院制、500人の国会を創り、「政治文化大国」創造に向け、本年も不断の努力を続けて参ることをお誓い申し上げて、新年の挨拶とさせて頂きます。