1950年代の終盤に、中国共産党(中共)の毛沢東が命じた「大躍進」運動は、中国全土に大飢饉を引き起こし、数千万人の餓死者を出すという、惨憺たる結果となった。
それから60数年後の今、現代版の大躍進と揶揄される「退林還耕」や「山での水稲耕作」運動は、依然として中国南部で続いている。
「退林還耕」とは、森林を切り開いて耕地にすることをいう。この場合の「耕地」とは、主食となる作物を生産する農地のことで、例えば農民が主食以外の野菜や商品作物などを作っていた場合には、巨大な重機を入れて畑をつぶし、指定する作物に強制的に入れ替えさせるなど強引な方法をとった。
2023年3月の全人代(全国人民代表大会)において、中国共産党の党首である習近平は「農業強国」としての中国を世界に確立するため、食糧5千万トンを増産するという計画を指示した。
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