障壁を破る

コウモリは、様々なウイルスのキャリアまたは自然宿主として知られており、コロナウイルスもその1つです。通常、コロナウイルスはコウモリや野生動物にのみ感染し、人間には感染しませんが、機能獲得研究の出現によりこの状況は変化しました。

 

2015年、中国の研究チームが、中国科学院傘下で中国共産党の管理下にある武漢ウイルス研究所でコウモリコロナウイルスの機能獲得研究を実施しました。

 

この研究では、研究者らはコウモリのSARS類似ウイルスからスパイクタンパク質(ウイルス表面のトゲ状の構造)の遺伝子を取り出し、今世紀最初のパンデミックを引き起こしたSARSウイルスのバックボーンに挿入しました。

 

新たに作成されたSARS類似ウイルス(SCH-014-MA15とコードされている)は、人間の気道細胞に感染し、SARSウイルス同様に伝染しました。また、マウスなどの哺乳類に感染し、肺疾患を引き起こす能力も獲得しました。

 

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