昔々、ある遠い国に貧しい靴職人が住んでいました。彼の背中には大きなこぶがありました。

 

 ある日、彼は靴を売りに遠くの町へと出かけました。帰り道、疲れてゆっくりとしか歩けず、まだを抜けきらないうちに日が暮れてしまいました。

 

 「こんな暗がりのなかを歩いても、木にぶつかってケガをするだけだろう。たしかこの近くに穴のあいた大きな木があったはずだ。今夜はそこにもぐりこんで寝るしかないな。夜が明けたら急いで家に帰ればいいだろう」

 

 ほどなくその大きな木は見つかり、靴職人は穴のなかに入って深い眠りに落ちました。

 

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