中世のヨーロッパにこのように広まった伝説がありました。遥か遠い東方の地に、ある英雄が現れ、その名は「プレスター・ジョン」というのだそうです。彼はイスラム教国に勝利を収め、その首都を占領しました。人々はこの英雄が現れ、苦境からキリスト教徒を救い出すことを心待ちにしていました。プレスター・ジョンに関する最古の記録は、12世紀、フライジングのオットーの『年代記』です。

 

シリア西南地区では、長い間、キリスト教勢力はイスラム教勢力との戦闘で苦境に陥りました。ある日、東方に存在する広大な国の王プレスター・ジョンがペルシア(現在のイラン)を破り、間もなくバグダード(現在のイラクの首都)近郊に到着するという噂が流れ込み、キリスト教勢力を奮い立たせました。

 

【続き】

 

 

【関連記事】