人民解放軍の国防相の動静が不明となれば指揮命令が誰に有るのか判らない。これでは外国から人民解放軍に連絡できない状態となり衝突回避を行なうことが難しくなる。このため外国では中国の指揮命令を不安視する声も出る。これは習近平の統治への不安であり台湾問題の悪化を懸念する材料になった。(大紀元)

 

 

  中国の異常な動き

 

中国では人民解放軍の高官が相次いで消息不明や解任が相次いでいる。そんな状態でも中国は台湾への軍事的圧力を継続している。台湾から見れば人民解放軍の異常な動きと認識し対応をしているが無意味に緊張を高める状況が続いている。

人民解放軍の国防相の動静が不明となれば指揮命令が誰に有るのか判らない。これでは外国から人民解放軍に連絡できない状態となり衝突回避を行なうことが難しくなる。このため外国では中国の指揮命令を不安視する声も出る。これは習近平の統治への不安であり台湾問題の悪化を懸念する材料になった。

 

  逆効果になった軍事的圧力

 

人民解放軍の高官が相次いで解任される状態で台湾への軍事的圧力が続いているが、これは中国の暴発を懸念すると同時に台湾に国防を意識させる逆効果の結果を生んでしまった。何故なら人民解放軍の高官が不在なら軍政を持つ習近平に人民解放軍高官は軍令の補佐を行えない。

 

軍政:宣戦布告・停戦・休戦・国軍に戦争の政治目的を付与する。

 

軍令:軍隊の組織と運用は経験則に従い原則として自由。

 

国防大臣:軍政の補佐

 

参謀総長:軍政に適した作戦戦力・作戦期間・戦域設定としての軍令の補佐

 

これは習近平が軍政に適した作戦戦力・作戦期間・戦域設定などの知識を得られないことを意味する。台湾軍がこのことを理解しているから習近平の不利な状況が丸わかりになり逆効果だと認識した。軍政と軍令の意味と関係を理解すれば習近平は独裁者として強権を発動したことで自ら不利な状況に導いている。

 

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上岡龍次

戦争学研究家、1971年3月19日生まれ。愛媛県出身。九州東海大学大学院卒(情報工学専攻修士)。軍事評論家である元陸将補の松村劭(つとむ)氏に師事。これ以後、日本では珍しい戦争学の研究家となる。

 

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