今月7日深夜から8日にかけて、広東省深センと香港は記録的な集中豪雨により機能不全に陥った。この日の夜(8日未明)、深セン当局は突然ダム放水をした。

 

香港を襲った洪水は「深センのダム放水が原因」と指摘する声が多く上がるなか、香港政府の通告などからして、深セン当局は先にダムの水門を開けてから、その後で「放水通告」を出していた疑いが持ち上がっている。

 

  放水開始後に「あわてて通告」したのか

 

「深センにあるダムの放水開始時間」について、二つの公式発表に「食い違い」があることがわかった。

 

深センの官製メディア「深圳晚報」は8日の午前0時08分の時点で、「(7分後の)午前0時15分にダム放水を開始する」との速報を出している。

 

これに対し、香港政府が刊行する政府年報「政府新聞處」は7日の23時44分に、その16分後の「8日午前0時に(ダム放水を)開始する」と報じている。

画像(左)は深センの官製メディア「深圳晚報」の報道。画像(右)は香港政府が刊行する政府年報「政府新聞處」の報道。

 

香港当局の発表(午前0時に放水開始)が確かなものであれば、深セン側が「7分後にダム放水する」と予告した時点(午前0時8分)で放水は開始されており、すでに8分が経過していることになる。つまり深セン側は、またしても先に「予告なしのダム放水」を行い、その後で「(事実ではない)放水開始時刻を通告した」ことになるのだ。

 

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