先日、仕事関係者が書類を届けるため、会社の前に車を止めるので、取りに来てほしいと言われしばらく待っていたが、まったく来ない。社に戻って、電話をすると「うっかり忘れて通り過ぎてしまったと(笑い)」。とっさに「私は“忘れられた女”だ」との言葉が出てきて、皆で笑ったが、この“忘れられた女”という言葉は、昔読んだ、マリーローランサンの詩の中の一説の引用である。

 

もう30年以上も前に、友人が伊藤肇著の『帝王学ノート』をプレゼントしてくれた。ぜひ読ませたいと、書店に一緒に行って購入してくれた本であった。その中の一節に彼女の詩(堀口大学訳)があった。

 

「退屈な女より もっと哀れなのは かなしい女です。かなしい女より もっと哀れなのは ・・・・・・(中略)」で始まる詩の最後に「死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女です」という一説があって、その言葉が突然浮かんできたのだ。

 

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