(前稿より続く)
漢方医学をはじめとする東洋の臨床医学は、長年にわたり、薬用キノコに関する実証的な研究を行ってきました。
その結果、各種のキノコがもつ特色は非常にユニークで、それぞれ健康上の利点を持っていることが分かっています。
キノコに関する医学的見地からの研究は、西洋医学にとっては全く新しい分野です。
現在、研究の大部分はマウス実験によって行われているので、確かなエビデンスを得るためには、人間が服用するかたちで行われる実証研究が必要になるでしょう。
漢方医学で多く処方される薬用キノコ8種を、以下にご紹介します。
1、レイシ(霊芝)
2千年以上前から生薬として知られる霊芝は、肥満と炎症の軽減に役立つとされています。
2015年に科学専門誌『ネイチャー コミュニケーションズ』に発表された研究は、霊芝が腸内微生物叢を整えることによって、マウスの肥満度が下がったことを示しています。
2、ヤマブシタケ(山伏茸)
ヤマブシタケは抗酸化物質が豊富に含まれており、免疫系の強化に役立ちます。
認知症の発症を抑えるとともに、抑うつや不安を軽減する効果もあります。また、損傷した神経の回復にも有効とされています。
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