図書館で行われた落合恵子さんの講演会に行って来た。

落合恵子さんは文化放送のアナウンサーを経て作家になった方で、子どもの本の専門店クレヨンハウス、女性の本の専門店ミズ・クレヨンハウスなどを主宰されている。


講演では色んな作品、色んな人の言葉を紹介しながらお話をしてくださった。

何か答えを与えられるというよりは、話を聞いた自分たちが考えるキッカケをもらったというような講演会だったなぁと思う。


▽印象に残ったお話▽
※自分の簡単なメモを元にしているので多少の相違があるかもしれません

・メイ・サートン『独り居の日記』

「私から年齢を奪わないでください。この年齢は、私が働いて働いて、ようやく手にしたものです」

この言葉には、女性は若さや可愛さがあればいいとされ、考えたりすることは良しとされなかったという時代背景がある。

歳を重ねると何かどんどん失っていくように思われがちだが、
それでは歳を取って得たものは何かというお話で落合さんが「自由に近づいた」と仰っていたのが印象的だった。
そして何のために本を読むかというと、落合さんの場合は解放のため、鎖を解くためなのだという。


・中原中也「寒い夜の自我像」

「陽気で 坦々として しかも己を売らないことをと わが魂の願うところであった」

落合さんが紹介してくださったこの一節にはとても共感してしまった。
なかなか難しいことだけれども、そんな風に生きられたらいいなと思わずにはいられなかった。


・ドキュメンタリー映画「コスタリカの奇跡」

コスタリカという国は軍隊を持っていない。
防衛費の分の予算を全て教育や医療といった福祉にまわしている。
実行した大統領もすごいが、国民皆がそれを望んでいたのだそうだ。

サブタイトルは「積極的平和国家のつくり方」。
「積極的平和」とは、ノルウェーの平和学者ヨハン・ガルトゥングが使った言葉である。
戦争のない状態を「消極的平和」とし、その上でさらに貧困や差別などのない状態を「積極的平和」とした。

人が人を生きていくというイデオロギー。
あなたがあなたとして、私が私として生きていけるようなイデオロギー。
という表現を落合さんはされていた。


この映画はとても気になった。
また、平和学の父といわれるヨハン・ガルトゥングさんの本も読んでみたいと思った。


・ガブリエル・バンサン『アンジュール』

モノクロのデッサンのみの絵本。車の窓から捨てられてしまった犬のお話。


落合さんはここでこの絵本に関わるあるエピソードをお話してくれた。

クレヨンハウスでのこと。

2週間に一度くらい通ってきて『アンジュール』を読んでいる高校生の男の子がいた(クレヨンハウスでは座り読みができる)。

しばらく経ってから話してくれたところによると、学校でいじめがあったという。
彼は当事者ではなく、傍観者の立場だったが、見ているしかない自分が嫌で不登校になってしまうことは割とあるとのこと。

その子が結婚して子どもができて、家族でクレヨンハウスにやってきた時、(自分の『アンジュール』はもう持っているが)「今度は息子のアンジュールです」と言って『アンジュール』を買って、嬉しそうに胸に抱くようにして帰っていった。

というお話。その後、

人が生きていくのは難しく、辛い。
でも、捨てたもんじゃないよねっていうところに辿り着きたい。

と仰っていた落合さん。


私はこの間観た映画「陰陽師」の中で、安倍晴明が「この世界も捨てたものではない」ということを言っていたのが残っていて、
どうしたらこの世界や自分の人生を捨てたものじゃないと思えるようになるのかなと考えたことがあったので、
個人的にタイムリーだなー、なんて思いながら聞いていた。
そう思えるところに辿り着きたい、そう思えるような生き方をしたいと私も思います。



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とてもたくさんのことを知る契機になった、色んなことを考える取っかかりがたくさん用意されていた講演会だった。

しかし、それゆえ情報量が多くてまとめきれなかったので、続きは(2)へ持ち越すことにします。
(^_^;)