落合恵子さんの講演会で印象に残ったお話・続きです。
・HUG & READプロジェクト
東日本大震災の被災地の子どもたちに絵本を届けるプロジェクト。
全国から一年で15万冊の絵本が集まった。
震災から7年近く経った今、被災地に送られた絵本はお年寄りのものになっている。
絵本は字が大きく、視力の弱いお年寄りでも読めること、字が読めなくても絵を読むことができることが理由である。
このお話には、本を読むことが人間にとってとても大きく、必要なことだということが表れているような気がした。
また絵本の可能性というものも感じるエピソードだった。
・空より高く
「空より高く」は1990年にクレヨンハウスからうまれた曲。
長く歌い継がれてきたこの曲にまつわる、被災地でのお話が紹介された。
東日本大震災の後、岩手県の保育園で、職員たちがより被害の大きかった地域へ何ができるか考えてもわからずにいた時、ある男の子が「歌うたえるよー」と言った。
そこで、いつも卒園の時に歌っていた「空より高く」を園児たちで歌い、それを録音したCDをラジオ局に持って行った(道路は分断されて直接ほかの地域へ行くことはできない)。
そのCDはディレクターの即決ですぐにラジオで流される。
震災後、外国から「震災があっても日本では暴動が起きない」と感心されたが、それは耐えることに慣れてしまっているということでもある。
避難所にいるお年寄りの方たちは、とくに耐えることを褒められてきた世代であり、ともすれば耐えすぎてしまう。
しかし、そんな方たちもラジオで流れた子どもたちの歌声を聴くと「孫の声がする」と涙したそうです。
その後クレヨンハウスでは、「空より高く」をCD付きの写真絵本『CD絵本 空より高く』(新沢としひこ 作詞、中川ひろたか 作曲、クニ河内 編曲、石井麻木 写真)として刊行し、売り上げから「未来の福島こども基金」に寄付をすることにした。
絵本の写真は東日本大震災の被災地で写真を撮り続け、またカンボジアで綿畑を作る活動などもされている石井麻木さんによるもの。
空と子どもたちの写真を使った。
『CD絵本 空より高く』には、手話譜も掲載している。
これは、聴こえない人がいるということを意識できるように、との考えからである。
私も小学生の頃に歌った「空より高く」が、今また新しい意味合いをもって歌われているのだなと思った。
最後に「空より高く」のCDを流しながら歌詞を朗読してくださって講演会は終了となった。
落合さんはお話が本当に上手で、人を惹きつける、引き込む話し方ってあるんだなぁと感じました。
何が正しいとか何が間違っているとかではなく、自分で見て聞いて考えることだけはやめてはいけないなと思いました。
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▽その他紹介してくださった作品等▽
・長田弘『詩ふたつ』
「言葉って何だと思う。言葉にできない思いがここにあると指さすのが言葉である」
落合さんは、言葉は深く広く使いたいと思っているけれど、言葉には限界もあるのだということもこれを読んで思った、と仰っていた。
・バーバラ・クーニー『ルピナスさん』
「ルピナスさんははじめからおばあさんだったわけではありません」という一節が好きだと紹介してくださった絵本。
ある女性の一生を描いたお話。男の子のものはあるが、女性の一生を描く絵本は今でも少ないのだという。
何か新しいことを始めた人は、大体「変わり者」と呼ばれる。
でもそう呼ばれる人が何かを始めるものなのかもしれない、というお話も。
・キャロル・オーティス・ハースト『あたまにつまった石ころが』(千葉茂樹 訳)
石ころが大好きな少年のお話。やがて成長した彼は働きながら博物館に通い、飾られてある石をじっと眺めていた。そんな彼に思いがけない幸運が訪れる。
これは実際にあった、作者の父親の話である。
・マルカム・カウリー『八十路から眺めれば』
アメリカの詩人カウリーのエッセイ。
・リア・ロバック
(おそらくリア・ロバックの「私のしわは私の成長の証です」という言葉などを紹介してくださったのだと思いますがメモがなく確かではありません;)
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