ミーハー民俗学好きのブログ

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鎮守の杜に朱鳥居,なまはげ,イタコにオシラサマ。
土着の民間信仰は,どこか不気味で懐かしい。
そんな世界に心惹かれるタミキチの,学問知識一切なし,民俗事象紹介ブログ。

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2008年の訪問記です。

福田地区では毎年,お盆の時期に男女一対の人形を作り,太鼓やカネ(シンバルがしょうゆ皿サイズになったようなもの)を打ち鳴らしながら集落内を練り歩く行事があります。
五穀豊穣,悪疫退散を祈願するためのお祭りです。


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(人形ができあがったところ)


人形は地区内の高清水稲荷神社という所で作られます。写真のように,男女のシンボルを明確にした大人の神様でございます。

人形作成が一段落したあと,集落の人々が作ってくださったおにぎりやおでんが振舞われます。その場にいる人全員に振舞うのがしきたりだそうで,民吉もちゃっかりごちそうになりました。
社殿では神官さんが榊の葉を使って何か神事を行っていた気がするのですが,なにぶんうろ覚えです。(おでんに夢中だったのか)

その後,人形や太鼓,ビールの入ったポンプ,アイスクリームがいっぱい入った箱などをリヤカーに載せて,出発です。


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(高清水稲荷神社を出発したところ)


集落を練り歩く間,折々に休憩をはさみ,ビールやアイスが振舞われます。酔ってちょっと助平な冗談を言うおっちゃんを適当にかわしつつ,終始和やかなムードで一行は進みます。
民吉も同行して,太鼓を叩かせてもらったりしました。

真夏の午後,それでも2時間ほどは歩いたでしょうか。

ある橋のたもとに到着すると,にわかに太鼓のリズムがドコドコと激しくなり,男女の人形を向かいあわせに何回かぶつける(合・体!)動作をします。(4,5歳の子供たちも無垢な目で見てました)
その間もますます太鼓のリズムは激しくなり,クライマックスで…


男女の人形を,橋から川へ放り投げます。(ええ~~っ!!)


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(流されてゆくお人形…)


人形がどこにも引っかからず,無事に遠くへ遠くへ流されていったなら,その年は豊作が叶うそうです。(この年は残念ながら引っかかってました(^ ^;))


民俗学では,豊穣と子孫繁栄,2つのイメージは密接に結びついていることが多いです。
どちらも昔は欠かすことのできない,切実な願いだったんでしょうね。
男女のシンボルも,民間信仰を調べていると至る所で出くわします。


祭りが終わって人々が解散したあとは,蝉の鳴き声だけが響き渡り,なんだか夏の終わりのようなうら寂しい気持ちになってしまいました。
田舎らしい,素朴で和やかなお祭りでした。


宮古島の島尻集落には,祈願祭(プナハ)が年3回あるのですが,3回目の旧暦9月に「パーントゥ」という奇妙な3人の神様が現れます。

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(wikipediaより。宮古島総合博物館のパーントゥの展示)

パーントゥは全身につる草をつけ,泥を塗り,仮面をつけた異様な出で立ちです。その泥は,「ンマリガー」という特別な井戸から取ってきます。



パーントゥは集落内の人々を精力的に追いかけ回し,あらゆるものに泥を塗りつけます。警官だろうがパトカーだろうが新築の家だろうがおかまいなしです。泥を塗られると無病息災になれるという有難い話なのですが,この泥,とんでもなく臭いらしく,逃げる人もいれば家に入られないよう必死で抵抗するひともあり,集落は大騒ぎです。
すごい楽しそう。

数年前に宮古島に行った民吉の後輩によると,パーントゥはもはやマスコットとして,食品の包装袋に載っていたり,看板に描かれていたり,お土産に仮面が売られていたりするそうです(笑)

ちなみに私は実際に行ったことはありません。
お祭り系は日にちが限られるので,しがないOLの民吉にはなかなか行きにくく…(泣)

興味ある方は「パーントゥ」でググって見てください。実際行った方のブログや動画がいっぱい出てきて,面白いですよ
山梨県南巨摩郡早川町奈良田。JR身延線身延駅からバスで2時間半あまり(うろ覚え)。
ここでは小正月(1月14日)に,オホンダレ様という,木の枝で作った男女一対の人形を門口に立てる行事が残っています。

$ミーハー民俗学スキーのブログ-オホンダレ

上の写真は旅館「白根館」の玄関に飾られているオホンダレ。通常は小正月を過ぎると処分されてしまうのですが,ここでは年中見られます。
画像をクリックして拡大してみるとよくわかると思いますが,目・鼻・口は枝を削って描かれています。不気味かわいい表情がたまりません。

他にも,新しい嫁さんのお尻を叩いて子宝祈願を行うための棒「オカタブチ」や餅花など,小正月に様々な「ツクリモノ」を作る風習が今だに伝えられているようです。

$ミーハー民俗学スキーのブログ-オカタブチ
(これが確かオカタブチ)

奈良田は,赤石山脈の懐,急峻な山に囲まれた秘境とも言える土地で,日照も少なく,比較的最近(戦後)まで焼畑農業が行われていました。
厳しい自然に囲まれ,外界から隔絶されたような場所だからこそ,これらの民俗行事が生き残ってきたのでしょう。

本当にここは半端なく山奥です。道路は広くて整備されてますが,公共交通機関と折りたたみチャリンコしか移動手段のない民吉は,どえらい所に来てしまったと青くなったものでした。

$ミーハー民俗学スキーのブログ-奈良田への道
(こんな風景ばっかりです。)

下の写真は,奈良田へ行く道より少し脇へ外れた,茂倉という集落で撮ったもの。

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(なんか,屋根の上に折り紙で作った輪っかがのってる…)

これは火伏せ(火除け?)のおまじないなんだそうです。


民俗学好きさんには,興味がつきない場所ですね~。
以上,奈良田訪問記でした。