※光ED後のお話で、先日の復刻イベストの雷太目線です


雷太っす。

そうっす!

何時も兄ぃと一緒にいる、狐の雷太っす。


今晩は兄ぃによる大捕物があるから、俺も大活躍するっす。

確か…悪徳代官が秀吉さま(何時もおやつくれる優しい人っす)を森にある小屋で監禁している→助けに行く為に兄ぃと陽菜が代官の元に乗り込む→と同時に石川五右衛門の格好をした俺が城下で大暴れする→石川五右衛門が二人現れたので敵は混乱するって手はず…うん…間違えてない…。

とにかく今晩は男として勝負の日っす!





代官の元に恭一郎と陽菜が乗り込んだ後、恭一郎と同じ赤い羽織を着た雷太は代官の屋敷の屋根上から様子を窺っていた。

じっとしているのが苦痛なのだろう。

先程から雷太はしきりにソワソワしていた。

「もう良いっすか?まだっすか?」

そう呟いても返ってくる言葉はない。

「…でも慌てちゃいけないっす。せっかくの兄ぃの計画がぶち壊しになるっす」

じっとしていること暫く、屋敷に残っていた護衛達が森に石川五右衛門が現れたと話し始めた。

「お代官様のおっしゃる通りだったな」

「これで豊臣秀吉と石川五右衛門は共倒れだ」

「と同時に織田信長もお終いだな」

雷太は噂話に聞き耳を立て

「兄ぃ達は無事森に着いたっす。やっと俺の出番っす!」

雷太はうぉーと雄叫びを上げながら、ふわりと代官屋敷の庭へと降り立った。

護衛の一人と目があった雷太は、にやりと不敵な笑いを浮かべた。

「石川五右衛門だ!」

「どうなってるんだ?森にいるんじゃないのか?」

「屋敷まで移動してきたのか?」

恭一郎の思惑通り、屋敷にも石川五右衛門が現れたことで場は混乱し始めた。

「とにかく捕まえろ!」  

「へへーんだ♫」

逃げる雷太を追いかけ始めた護衛達を尻目に、雷太はひらりと屋根へと飛び乗った。

「捕まらないっすよ!」

雷太は縦横無尽に夜の城下町を駆け巡った。




「ぷはっー!やっぱり仕事の後の水は最高っす」

ひと足先に家に戻った雷太は、台所で寛いでいた。

「兄ぃと陽菜は無事っすかね?心配無いっす…兄ぃがついてるっす!大丈夫っす!ん!」

おかわりの水を口にしていると、戸口がガタンと揺れた。

(ん?風っすかね?)

ちらりと戸口の方を見ると…そこには口をパクパクさせた陽菜が立ち尽くしていた。

「あっ…あっ…あっ…」

(ヤバいっす…陽菜は俺が人間の姿になれること、全然知らないっす)


「ひな…俺」
「きゃー!どッ泥棒!ど…ムグ…」

陽菜が悲鳴を上げるのと当時に、後ろにいた恭一郎が陽菜の口を塞いだ。

「しっ!静かに。石川五右衛門の元に泥棒が入るわけないでしょ。はぁ…雷太は気を抜き過ぎ」

「えっ?雷太?雷太なの?」

「兄ぃ…すまないっす」




落ちついたところで俺は狐の姿に戻り、今は兄ぃに毛づくろいをしてもらってるっす。

兄ぃは陽菜に俺の秘密(なのかなぁ?)を教えたらしく、陽菜は真っ赤な顔で平謝りしてるっす。

陽菜に俺のことまた一つ知ってもらったす。

えへへっ

何時か陽菜と肩並べて逢瀬ってやつしてみたいっすね。

あっ…兄ぃには秘密っすよ。

兄ぃがヤキモチ妬くっすから(笑)