愛の消えた情交の後、彼女は黙ってベッドから出ていった。
脱ぎ散らかした服を着て、髪を整えもせずバッグを掴んでドアへと向かう。
「…」
無言でドアの向こうへと姿を消し、ガチャンと冷たくドアが閉まる音だけが部屋に響いた。
俺はベッドから降りて、ドアに寄りかかるように立った。
「俺にはまだ君が必要なんだ…」
聞こえるはずはない。
「今から50数えるから戻ってきて…」
伝わるはずもない。
「お願いだよ」
言葉は届かない。
「1 2 3…」
すべて終わったと知っている。
全部自分自身で壊してしまった。
でも彼女への愛だけが壊れずにいる。
ベッドサイドに置き忘れた、彼女の小さな時計が静かに時を刻む。
秒針が進む毎に離れていく。
彼女の体も心も何もかもが…俺から離れていく。
薄暗い闇の中で俺の言葉だけが悲しく踊っている。
中島美嘉さんがカバーした『Missing』を聞いて「私はMissingよりIndigo Waltzの方が好きなんだよ」と思いました。
YouTubeで久しぶりに聞いて、ネットで歌詞を調べて、こんな悲しい歌なのねと。
ふとずいぶん前に見た映画『ナインハーフ』のラストシーンを思い出しました。
刺激的な映画です。
今だったらR15指定なんじゃないかしら(ㆁωㆁ*)。
だってとにかくエロティックなんだもの。
上はうろ覚えなラストを脚色Σ(ノ∀`*)。