手を伸ばせば愛おしい貴方がそばにいる。
私は静かに眠る貴方の髪に触れた。
「ふふっ…髪フワフワ」
何時も貴方がするように、髪に、頬に口づけを落とす。
さらに頬を撫で、唇を指でなぞった。
「…」
そっと自分の唇を押し当てた。
心の中が『愛おしい』という感情でいっぱいになった。
「好き…大好き…」
貴方の胸に頬を押し当て、私も静かに眠りについた。
(弱った…)
俺は心の中で呟いた。
恋人が俺の髪に触れたり、キスしたりしている。
俺が熟睡していると信じて、好き勝手しているようだ。
(可愛いことしやがって…)
目を開ければ真っ赤な顔をして「おっ起きてたの?もー馬鹿!早く言ってよ!」
と言ってポカポカと胸を叩いて責めるだろう。
(それはそれで可愛いんだが…)
やがて指が唇をゆっくりとなぞり…
(いきなり起きてキスしたらびっくりするだろうなぁ…)
俺の唇に柔らかいものが押し当てられた。
「好き…大好き…」
何時も以上に甘い声が耳を擽る。
(もう限界だ)
俺は我慢出来ず目を開けた。
しかしその瞬間、恋人は俺の胸に頬を押し当て
「おやすみなさい」
と言って眠ってしまった。)
(なんちゅー可愛いことを…)
小さくため息を一つ。
「ホント…参るぜ」
静かに寝息を立てる恋人を抱きしめて、俺も再び眠りについた。
何年ぶりかに聴いたアニタ・ベイカー『Sweet Love』
素晴らしい歌は色褪せないだなぁ(∗ˊᵕ`∗)。