俺の恋人は可愛い。
今もその可愛い姿を目に焼き付けているのだが…
「…」
「どした?桜子」
「どうしたって…」
桜子はちょっと不服そうな顔をして、口に運びかけていたパンケーキを皿の上に置いた。
「そんなに見つめられると…食べにくいんですけど」
形の良い唇を尖らせて、不服を申し立てる姿も堪らなく可愛いと思う。
「んー。久しぶりのデートを堪能してるだけだから気にしない」
「私は気になるんです」
俺は自分のパンケーキを一口大に切り、桜子の口もとへの差し出した。
「ほら、口開けて」
桜子は恥ずかしそうにしながらも、おずおずと口を開けてパンケーキを口にする。
「…」
「宇治抹茶パンケーキも美味いやろ?」
「うん」
「だから俺にもそのキャラメルナッツのパンケーキ食べさせて」
「えっ!?やだ!龍真さん自分で食べてください!」
「きょ…拒絶された!?」
「拒絶じゃなくて…その…人前だから」
「ふーん…二人きりなら良いんやな?」
「…うん」
桜子は真っ赤な顔を隠すように、俯きながら小さな声で答える。
(あー…人前でなければ、テーブルひっくり返して抱きついて即押し倒してたな…)
あっ
この心の声は桜子には絶対に秘密にしてくれよ。
バレたら桜子は泣きながら怒るだろう。
泣き顔も可愛いが、泣かせるのは不本意だからな。