私の恋人は本当に甘い。
紆余曲折を経て一緒になったせいなのか、暇さえあれば私から離れない。
「今日もいい匂いだな」
今もしきりに私の髪を触り、匂いを嗅いでいる。
「そうですか?自分じゃ良くわからないから」
「甘い匂いがする」
髪を持ち上げ、毛先にキスをする。
さり気ない仕草一つ一つが色っぽくて、私の心臓は跳ね上がった。
「ちょっ…」
「あっ…顔が赤くなった。可愛い」
俯く私の頬を包み込むように持ち上げ、鼻先にキスをする。
「龍真さん…キス魔ですよね」
「そうか?うーん…酔っ払った桜子には負けると思うけどな」
「えっ?私そんな事してます?」
「酔っ払ったら何時もキスをせがまれてるけど?」
「嘘!」
「嘘じゃない」
それは冗談なのか真実なのか…唇を塞がれて問い詰めることは出来なかった。
チョコよりも
砂糖菓子よりも
アイスキャンディよりも
甘いのは貴方の唇とキス
そこにあるのは二人の甘い時間