三月になっても夜は寒い。

早めに眠ったものの、トイレに行きたくなり目が覚めた。

「寒いなぁ…」

冷たい廊下を歩きながら部屋へ向かっていると、奥の部屋から薄暗い明りが見えた。

私は奥の部屋へと向かった。

ドアをそっと開けると、部屋の主はベットの中からこちらを見ている。

「眠れないのか?」

「うん…」

モジモジとしながら答えると、彼は黙って掛け布団を持ち上げた。

私は急いで彼の横に滑り込んだ。

「エヘヘ…暖かい」

お風呂上がりなのだろう。

良い匂いと高い体温が私を包み込む。

彼といると不思議と落ち着く。

遠ざかる意識の中、彼が何かを囁いている。

その言葉を理解しないまま、私は眠りについた。

私が一番落ち着く場所。

それは大好きな人の隣。