春とはいえ三月の夜は寒い。

俺は熱い風呂に入り、あたたまった体のままベットに潜り込んだ。

電気毛布の熱がさらに体にしみわたる。

ウトウトとしていると、静かにドアが開いた。

「…」

小さな影がモジモジと身じろぎをした。

「眠れないのか?」

「うん…」

俺は黙って掛け布団を持ち上げた。

小さなそれは安堵のため息をもらし、素早く俺の隣に潜り込んだ。

「エヘヘ…暖かい」

「今日だけだぞ」

「…」

返事はなかった。

「寝たか」

静寂の中に寝息だけが聞こえる。

「何時までこうしていられるやら…」

俺は小さな体を引き寄せ、静かに瞼を閉じた。

寒い夜。

二人なら寒くない。