桜花はゲーム薄桜鬼の二次小説です。

苦手な方はご遠慮下さい。

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慣習化しつつあった(?)義理チョコも、今年のバレンタインデー当日が日曜日であることもあり、あげない人が増えているらしい。

慣わしという訳ではないが、私は今年も幼なじみの丞にチョコレートを用意した。

長い付き合いであるが、丞が私以外からチョコレートをもらっている場面は見たことはなく、また持っているのも見たことがない。

「私があげないとね~今年もチョコの戦利品Øになっちゃうし」

丞が帰宅したことを確認してから、私は丞の家へと向かった。

「あまね…こんな夜遅くに出歩くんじゃない」

「いーじゃない、ご近所なんだし、すぐ帰るし。はい!何時も有難うの感謝チョコ」

「有難う」

かすかに浮かべる丞の笑顔に今年も満足する。

毎年恒例の場面。

だったが…

「何…そのテーブルにあるチョコ」

小さな二つの箱。

それはコンビニに売っているようなものではない。

それらはどう見てもデパートで売っているような、ちょっと高級そうなチョコだった。

「もらったものだが」

「だっ誰に?!」

丞はチョコを眺めながらふっと笑った。

「仲間だ」

「なっ仲間って誰?丞の周りなんて男ばっかりじゃない!まさか?まさかなの?男からもらったの?」

丞は私の質問に答えることなく、「送る」と短く呟いて玄関へと向かった。

まただ。

私の知らない丞がいる。