真冬の海を二人で歩く。
月と星の光だけが私達を照らしている。
言葉の代わりに吐き出されるは白い息。
二人繋ぐ手だけが熱を持っている。
『さようなら』
『またね』
こんな簡単な台詞が言い出せずにいる。
「あの…」
「ん?」
「なんでもないです」
繋ぐ手の力が強くなる。
私も強く握り返した。
門限とか明日が仕事だってことも何もかも…今の二人にはどうでも良い。
離れたくない。
ただそれだけ。
徳永英明さんの『帰れない二人』をイメージして書きました。
単純に解釈すれば『不倫中の二人』なんでしょうが、そうではない複雑な関係の二人、不器用な二人。