女と言うものは香りにこだわる人種だと思う。
やたらと良い匂いのするシャンプーを使ったり…まぁそういうのは嫌いじゃないけどな。
「おにぃ…お泊りデートだったでしょう?」
おにぃと呼んでいるが、こいつは妹ではない。
従妹ってやつだ。
「なんでそんな事言うんだよ」
「石けん?ボディソープ?の良い匂いがするもん。何時もと違う」
そんなに香るもんか?
自分で自分の匂いを香ってみるが、まったくわからねぇ。
「やっぱりそうなんだ!いっいやらしい!」
「いやらしいって(笑)お前だってお泊りくらいするだろう?ほら、あの無愛想な長身の…」
「しっしたことないよ!それに…彼氏とか…そんなんじゃないと思うし…」
真っ赤な顔をして俯きモゴモゴと喋るのが面白くて、俺はさらにからかいたくなる。
「じゃあ愛人かよ」
「なっなっ何言ってんのよ…」
まさかビンゴか?
なんかわけありなのかもしれねぇ…まぁ簡単に手を出す様な男でもねぇみたいだしな。
しばらく様子見するか。
「ところでお前はボディソープは何使ってんだ?牛乳石鹸とか色気のない答えは却下だぞ」
「ナチュサボンだけど?ローズ&マグノリアの香りで、超しっとりするやつ」
「ふ〜ん」
「何よ?」
「あいつが気分転換にボディソープ変えたいって言ってたから参考にな」
「やだやだ!おにぃと同じ匂いになっちゃう!」
「毎回毎回お泊りしてんじゃねぇよ!こーらっ叩くな!」
ハムスターのようにワタワタと暴れる姿につい笑ってしまう。
「まぁお前もそのうちな…」
その恋が何時か成就するようにと、俺は心の中で祈った。