「わぁ!本当に光ってるね」
子供の様にはしゃぐ君が好きだった。
「あの光は蛍の息づかいだね」
目をキラキラさせて喋る君が好きだった。
「そうだね。蛍の成虫は1~2週間しか生きられない。儚いよな」
「そんなに…」
「あぁ、蛍の成虫は水しか飲まない。死因は栄養失調だな」
「そっかぁ…」
君は悲しそうな顔で蛍を見つめていた。
今ならその意味がわかる。
君は蛍に自分自身を重ねていたんだね。
もう居ない君を忘れずにいる。
女々しいと笑う奴もいるが、君の代わりなど何処にもいない。
俺は蛍を見つめながら独りごちる。
「あいつに会うことがあったら伝えてくれ。何時か君に会いに行くと。何時になるかわからないが、そう遠くはないかもしれない。だから待っていて欲しいと」
何時か消える命の火。
今は生きている人達の為に、消えないようにと願う。
そう思う反面、君の側に行くことを願う自分がいる。
今の俺を見たら君は「相変わらず優柔不断だなぁ」と笑うだろう。
会いたい。
愛おしい君に。