今日はハロウィンだ。

はしゃぐほど子供じゃねーが、無視するほど空気が読めねぇわけじゃない。

小さな彼女が『お菓子をたくさんねだりに行くからね♪』とはしゃいでいたから、菓子を用意しているところだ。



「くくっ…これでも足りないんじゃねぇか?何にせあいつは食いしん坊だからな」

こみ上げる笑いを堪えていると、ドアをノックする音が耳に入った。

「来たぜ…どんな仮想か見ものだな」

俺はドアに近づき耳をすませた。

「Trick or Treat!」

ん?

おかしいぞ?

声が違うな…

いや、昨日腹を出したまま寝て、風邪気味なのかもしれねぇ。

仕方がねぇ奴だ。

ブランデー入のホットミルクでも飲ませてやるか。

俺はドアノブに手をかけ、お決まりの台詞を叫んだ。

「Happy Halloween!」

次の瞬間、俺の顔は引き攣った。

ドアの向こうに居たのは、お菓子をねだりに来た愛しい彼女じゃなかった。



「どうみても足りねぇな…」

仕方がない。

追加のクッキーを焼きながら、彼女を待つことにするか(苦笑)