ここはどこだろう

俺は心の中で問うた。

宿を探していた。

それを見つけたんだが、俺は何故か違和感を感じていた。

背を向け立ち去ろうとすると、ギギッとドアの軋む音が耳に響いた。

振り向くとそこには女が一人、薄い笑みを浮かべ立っていた。

「Hotel Californiaへようこそ。ここに辿り着けるなんて、貴方はなんてラッキーなんでしょう。」

宿の女主人だろうか…ランプを持っておいでおいでと手を振っている。

「部屋はいくらでも空いてますよ。貴方のお好きな部屋をお使いください。」

引き寄せられるように足を運んだ。

それに反するように頭の中では警鐘がなっている。

俺はその警鐘をあえて無視して、静かにドアに手をやった。

ドアの軋む音に混じって、中から騒がしい音や声が聞こえる。

「貸切?パーティーでも催しているのか?」

「たくさんのお友達がお待ちですよ。」 

女主人に誘われ、俺はホテルの中へと入って行った。

「さぁさぁ楽しい時間をどうぞ!」

「あぁ…ありがとう。」

俺は愛想笑いを浮かべながら、女主人の前をすり抜ける。

「そうぞお楽しみください。快楽の時間を…永遠のね…」

女主人の姿が蝋燭の炎のようにゆらりと揺れ、そして消えた。

これは夢だ。

真夏の世の夢だ。

一晩眠れば目が醒める。

俺はゆっくりとソファーに身を沈め、目を閉じた。

そうだ…目が醒めたらワインを頼もう。

目が醒めるくらい美味いワインを。


So I called up the captain

“Please bring me my wine”

He said,“We haven't had that spirit here Since niteteen sixty-nine”

And still those voice are calling from far away,

Wake you up in the middle of the night

Just to hear them say