風車 ~かざぐるま~ | ethlinの煩悩毛だらけ

ethlinの煩悩毛だらけ

煩悩さらけ出し日記

好きな色 ブログネタ:好きな色 参加中
本文はここから



好きな色はたくさんあります。

その中で特別な思いを持つ色というものもあります。

一つではなくいくつかあるのですが…とにかく欲張りなんです。私は(笑)



ここから桜花出張版です。

『桜花』『桜花出張版』は変態妄想姉妹で勝手に絶賛リレー中(ただいま停滞中ですが)、薄桜鬼の完全二次小説です。

妄想とオリジナル色が濃いお話なので、苦手な人はここで脱出非常口してください。

私が特別な思いを持つ色の一つは、桜花のethlinにとっての特別な色なのです。





風車





立秋を過ぎたとは言えまだまだ夏。

自転車で風を切りながら走っていると気持ちがいいけど、信号待ちで止まると急に汗が噴出してくる。

オレンジ色の自転車をいつもの場所に置いて、私はお花屋さんの店内へと足を踏み入れた。

「おや?森から可愛らしいお客様がいらっしゃったようだ。いらっしゃいませ。」

「山南さんこんにちわ。毎日暑いですね。」

「その暑い中をわざわざ来ていただいたのに申し訳ないのですが、ethlin君今日土方君は…」

「歳三さんがお休みだって聞いたから今日来たんです。えっと…花束をお願いしたいんです。あの…歳三さんがお墓参りに行く時に渡してもらっていいですか?」

今年のお盆も歳三さんは失ってしまった…自分が失わせてしまった小さな命に会いに行く。

差し出がましいとは思ったが、お花をお供えしたいなと…そう思った。

「なるほど…秘密の依頼ですね。ではお客様、どのようになさいますか?」

わざと声を落として話す山南さんがおかしくて、つい笑いが漏れる。

「光のイメージ。ちゃんとお父さんとお母さんのところに迷わず帰ってこれるように、明るい光のイメージがいいです。」

「ひかり?」

山南さんの顔が一瞬…ひどく驚いた風に見えた。

(私のオーダーの仕方…変だったかな?だって詳しい事何も知らないし…生まれる前に死んじゃったって事しかわかんないし。)

山南さんは小声で何かブツブツと独り言を言っている。

「あっ…わかりにくかったですか?じゃあ…えっと…」

「ひかり…光のイメージね…なるほど…ふふっ…君らしいね。ではお客様こちらへどうぞ。お客様のイメージ通りに仕上げて見せましょう。」

ガラスケースを覗きながら山南さんと二人で花を選んだ。

山南さんは相変わらず魔法使いみたいで、私の中のぼんやりとしたイメージを現実のものとして形にしてくれる。

「ねぇ、二人でこそこそしてるとさ、なんか怪しいんだけど…って言いたいところだけど、クスクス…悪そうな魔法使いと森のコロボックルじゃあ…あははっ!いやらしい噂になんてなりっこないね。」

「なっ!?なんですか沖田さん!いやらしい噂って…」

むっとしながら振り向くと嫌味な笑みを浮かべた沖田さんが立っていた。

「だって明らかに色気不足でしょ?君はどうみても。おねぇさんと全然違うしね。全然成長してない。」

「沖田さんだって子供みた…うわぁ~風車(かざぐるま)みたいなお花だ~。」

嫌味に嫌味で応戦しようと口を開こうとしたけど、沖田さんの持っていた鉢植えに心奪われ、つい大きな声をあげてしまった。

「風車?そうだね、風車に似てる。これはねクレマチス。綺麗でしょ。」

「綺麗…紫色の風車みたいで…すごく綺麗。」

私は部屋の風車を思い出していた。

いつかの夏祭りで歳三さんに買ってもらった紫色の風車。

風車は変わらず部屋の住人である狼さん人形が、その手にしっかりと握り締めている。

「紫って大人のイメージが強いけど、花の形が愛らしいから君にも似合うんじゃない?コロボックルちゃん好きでしょ、紫色。誰かさんのイメージだもんね。」

「うっ…」

簡単に心を見透かされてしまったことに恥ずかしさを覚えたけど、その紫色の花に強く惹かれた事は確かだった。

「…はい。好きです、紫色。綺麗だし、秋にも似合う色だし…」

紫色は何よりも

少し寂しげなあの人を思わせるから…だから私はその色に心奪われてしまうんだ。

$ethlinの煩悩毛だらけ