先輩と私と秋祭り | ethlinの煩悩毛だらけ

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お前の事だから、どうせ食べ物だろ?


と思われていたら癪なので、今回は食べ物以外の答えです。


この答え、過去に二回出ています。


一回目は『桜花出張版』の夏祭りにて


二回目は『嫁妄想 現代版』の夏祭りにて


さて、食べ物以外で『ethlin』が夢中になっていたもの


その答えは下のSSの中にあります。


では、ここから桜花出張版です。


『桜花』は変態妄想姉妹で勝手に絶賛リレー中の、ゲーム薄桜鬼の完全二次小説です。


去年は土方さんと夏祭りに出かけたethlin。


今年の夏は静かに過ごし、秋がやってきました。


そして後輩のゆきちゃんと、秋祭りに出かけたようです。





青緑桃青緑桃青緑桃青緑桃青緑桃




「ゆきちゃん!ゆきちゃん!スーパーボールすくいしようよ♪」

一通り気になる食べ物の出店を制覇した先輩は、何故かスーパーボールすくいをすると鼻息を荒くしている。

「はぁ…いいですけど。」

大きなボールを狙い、そして落とし、お店のお兄さんに親切にされながら再チャレンジしている先輩を眺めながら、私はぼんやりと考え事をしていた。

(まぁ…いいか。今日は土方さんとじゃなくて私とだし。さすがに成人式を超えた大人がスーパーボールすくいに夢中になってたら…先輩には寛容な土方さんも呆れると思う。そういえば最近お花屋さんに行こうって言わないな~。行ったって話もあんまり聞かないし。もっ…もしや再度ライバル出現!?先輩の恋に危機発生ですか!!)

「ちょっ…先輩聞いていいですか?」

「ゆきちゃん見て見て!こんな大きいボール取れちゃった♪」

私の深刻な考えなどカチ無視で、先輩はマーブル模様のスーパーボールを私の目の前に掲げて笑っている。

「す…すごいですね。」

「でしょ♪」

(はっ!先輩の気迫に押されて、つい聞くタイミングを失ってしまった。)

「これはね…歳三さんの……にあげるんだ。」

「土方さんの…何?」

ボソボソと呟いた言葉を聞き返そうとしたけれど、先輩は新たな獲物を見つけたらしく、ぷかぷかと水に浮かぶボールに夢中になっている。

この後いくつかの戦利品を下げた先輩と、他の出店を見て回った。

子供の時に夢中になったおもちゃの指輪やままごとセットを手にとって笑いあったりした。

でも、さっき先輩が呟いた言葉がどうしても気になって、私の笑顔は少しだけぎこちない。

カラカラと軽い音が耳に入った。

音のする方を見ると、色とりどりの風車が風に吹かれていた。

「わぁ~風車ですね。き~れ~い~♪ね、先輩!」

風車を見つめる先輩の横顔が、少しだけ寂しげに見えた。

「先輩?」

「ん?何?」

「風車、綺麗ですね。」

「うん、綺麗だね。でも、去年歳三さんに買ってもらった風車が一番綺麗だよ。紫色の風車…竜胆みたいに…少し切なくて…。」

(こっ…これはやはり先輩の恋の危機到来!このゆきが人肌脱がなくてはぁぁぁ!!!)

「先輩、あのですね…」

「あ~ゆきちゃんクジひこうクジ!あのでっかいスーパーボール絶対に欲しい!当てるまでやる!」

私の真剣な声がかき消されるほどの大声を張り上げながら、先輩は出店を指差している。

「せんぱ~い、スーパーボールなんて、一体何に使うんですか?そんなものあったってすぐに溝に落ちて失くすじゃないですか~。」

「だ・か・ら・たくさん欲しいんだよ。スペアがたくさんないと、すぐになくなっちゃうデショ。」

「そんなもの集めて何の意味があるんですか?」

いささかうんざりしながら先輩に問いかけると、先輩は目をキラキラさせながらこう言いました。

「何言ってんの!集める事に意義があるんだよ!!」

一体それはどんな意義なのか…

聞いてみたかったけど、正直どうでもいい、なんかよくなってきた…。

「先輩、土方さんには言わない方がいいですよ。お祭りでスーパーボールすくいしたとかなんて。」

「えっ、なんで?それに昨日電話で言っちゃったよ。スーパーボールすくいあるかな~って。去年の夏祭りと違うから、違うボールあるかもしれないとか。」

(去年?夏祭りって…土方さんと出かけたアレだよね?もしかして去年もやったの?土方さんと?マジで?)

「あの…ちなみに土方さんは、なんて答えましたか?」

「えへへ~『今年もがんばってたくさんすくって来い』って応援してくれたけど?」

土方さんって…

(大人…大人だから先輩のこの馬鹿馬鹿しい行動にも、寛容になれるんですよね?うん…そうだ、間違いない。)

「ゆきちゃん早く!早く!あ~学生さんらしき人が一番でっかいの狙ってるっぽいよ~。ほら早く~。」

「はいはい、待ってくださいよ~せんぱ~い。」

先輩の笑う声と先輩の名を呼ぶ私の声が、雑踏の中に溶け込んで行く。

私達の秋は始まったばかりだ。

きっと楽しい事が、たくさん待ち受けているに違いない。

「先輩!たくさんたくさん楽しみましょうね!」

「うん!」

はしゃぐ先輩の手を取り、私と先輩は出店へと走り出した。