ブログネタ:恋の「寿命」ってどれくらい?
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いきなりここから『ばらちゃんシリーズ』スタートです。
『ばらちゃんシリーズ』は薄桜鬼の完全二次小説『桜花』『桜花出張版』のパロディです。
苦手な方は脱出してください。
『ばらちゃんシリーズ』 ethlin‐Side 索引
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初めて会った冬の日から丸一年が経った。
最初の冬のほとんどは二人きりで過ごした。
粉雪が舞う静かな夜も。
雪が荒れ狂う極寒の日も。
暖かい日の射す冬の晴れ間も。
凍えそうな寒い夜も…二人身を寄せ合い温まりながら眠った。
「今日は特別冷えるからな、毛布を一枚追加だ。腹巻きはしたか?そうか…おい、いちいち見せなくていい。レディが無防備に腹巻きを見せるんじゃねぇ。」
「えへへ~♪今日は新しい腹巻きですよ~。狼さんの絵の腹巻きです
」
」一年経ったところで赤ばらちゃんが大人になるわけもない。
最初に会った時と同じ、世間知らずで、少し抜けて、泣き虫で、無邪気で…
「狼さんは寒くないですか?毛布足りてますか?」
「俺は大丈夫だ。寒くなんかねぇよ。」
俺は笑って見せたが、実際毛布は一枚足りなかった。
まずは白ばらちゃんと赤ばらちゃんを優先し、風邪をひきやすい総司、意外と寒さに弱い新八、連日寒い中狩に出かけていた左之助に毛布を譲った。
寒い森の中で一人雪が止むのを待っていたあの時に比べれば、多少寒くとも雨風が凌げる家の中で眠れる自体が幸運だ。
「そうですか…狼さん、おやすみなさい♪」
「あぁ、ぐっすり眠れよ」
赤ばらちゃんの柔らかな唇が俺の頬に優しい口づけを落とす。
触れた部分が妙に温かい。
(…俺もヤキが回ったな。こんなガキ一人相手に一喜一憂するなんてよ…)
部屋の灯りを消し、俺は自室へと戻って行った。
(毛布一枚は馬鹿に出来ないぜ…寒くて眠れやしない…)
それでも眠らなければ体力が消耗するだけだ。
俺は体を丸め、眠る事に集中し始めた。
ガタガタッ…
部屋の外から物音が聞こえた。
(誰かいるのか?侵入者…じゃねぇだろう。そうだったら俺以外の連中もとっくに気がついているはずだ)
しかし熊の新八と黒豹の左之助は体を温めるためだと言って酒を飲み酔いつぶれて眠った。
(白ばらちゃんは総司といるハズだから心配ない…問題は赤ばらちゃんだ)
赤ばらちゃんの部屋に鍵がかかっている。
しかし疑う事を知らない赤ばらちゃんを騙して鍵を開けさせる事は、至極簡単な事だ。
俺は剣を手に取り、そっと部屋の外の様子を伺った。
誰かが赤ばらちゃんの部屋から出てきて、俺の部屋の方へ向かっている。
(まさか…人質に取られたんじゃねぇだろうな)
息を殺し、そいつが俺の部屋の前に現れるのを待つ。
(必ず守る…赤ばらちゃんは…俺が…俺が必ず守る!)
「むにゃ…グス…ふぁっ…クシッ…」
(まさか…)
俺はそっとドアの外から廊下の様子を見た。
「あっ!狼さん♪よかった、起きてましたか。」
「赤ばらちゃん…何やってる?眠ったんじゃないのか?」
そこには毛布を引きずる赤ばらちゃんがいた。
「寒いから狼さんと寝ます。」
(おいおい…一年も経ったんだから『俺と一緒に寝る』って意味くらいわかれよ…)
「赤ばらちゃんは毛布を入れてやっただろ?寒くなんかねぇハズだ。ちゃんと自分の部屋で寝ろ。」
「でも…二人でお布団に入った方が温かいし…狼さんは毛布なくて寒いから。」
「俺もちゃんと毛布をもらった…寒くなんかねぇ。」
赤ばらちゃんは俺の顔をじっと見つめ、指を折りながらこう言った。
「源さんが持ってきた毛布は~えっと…5枚で…私と白ばらちゃんで2枚、熊さんと黒豹さんで2枚…王子様も一枚取ったから…狼さんの分が足りません。」
(俺が昼間に教えた算数のせいかよ…)
「あのな…レディはおいそれと男の部屋に訪れて、『一緒に寝よう』なんて言わねぇんだ。ちゃんと部屋に戻って…っておい!」
いつのまにか赤ばらちゃんは俺の横をすり抜けて、俺の布団に早速毛布を重ねている。
「えへへ♪これで狼さんもあったかですよ。前の冬の時も何度か狼さんと一緒に寝ましたね。狼さんと一緒に寝てたら怖いトロルが来ても平気です。狼さんが追っ払ってくれます。」
赤ばらちゃんは嬉しそうに布団に潜り、布団の横をポンポンと叩いて俺が来るのを待っている。
(おいおい…立場が逆だろ?それにこの場合怖いのはトロルより俺だって事…そろそろ気がついてくれよ)
しかし俺に拒否権はない。
拒否したところで赤ばらちゃんに俺の心情が伝わるわけでもない。
(ちくしょう…また我慢フラグ発生かよ…)
渋々ベッドの中に潜り込む。
「やっぱり二人でいるとあったかですね♪」
「あぁ…そうだな…。」
(温かいどころじゃねぇよ。余計に眠れなくなったじゃねぇか)
そしてやっぱり赤ばらちゃんは俺の気も知らずにスヤスヤと眠ってしまった。
(ったく…なんでこんな厄介なガキに惚れちまったんだろうな)
今まで会った女達とは違う。
誰とも似ていない。
なぜ好きなのか、どこが好きなのかと聞かれても、上手く答えられそうにない一年越しの恋だ。
毎日飽きることなく新しい顔を見せる、俺の小さな小さなお姫様。
「もしかしたら、ククッ…これが普通の恋ってやつなのかもしれねぇな…。」
安らかに眠る寝顔を覗き込む。
そしてあの夜と同じく、そっと守るように眠りにつく。
明日の朝も新しい顔を見せてくれ。
いつまでも
飽きることなく
好きでいられるように。
狼さんの恋の賞味期限はまだまだ先のようですね。
その前に…我慢フラグはいつまで有効なんでしょうか(笑)
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