New Year's Day ① | ethlinの煩悩毛だらけ

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煩悩さらけ出し日記

12月31日大晦日の夜、私は待ち合せ先の神社へと一人向かう。


おねぇと原田さんに一緒に行こうと誘われたが、31日は仕事だから終ったら一人で行くねと断わった。


本当は一人で行くのは不安で怖い。


今も桜花に自分の居場所があるのかと、受け入れてもらえるのかと…考えれば考えるほど怖くなる。


神社は多くの人でごった返していた。


周りを見渡しても、誰一人見知った人がいない。


心の中が不安でいっぱいになってくる。


このまま誰にも見つからなかったら…ざわめきだけが不安で渦巻く心の中に入り込んでくる。


(無理…無理だよ…こんなにたくさんの人がいる中から皆を探すなんて…それにこんなにたくさんの人の中から私を見つける事なんて…出来るわけない)


ホンの数分が何時間にも感じる。


不安で心がいっぱいになって泣き出しそうになった時、誰かに呼ばれた気がした。


キョロキョロと周りを見渡すけれども、知らない人の頭ばかりで何もわからない。


また私を呼ぶ声が聞こえた。


今度ははっきりと。


声がした方に目をやると、歳三さんが真っ直ぐに私の方へと駆け寄ってきた。


「どうして…どうしてわかったんですか?」


「どうしてって…当たり前だろ?」


少し困った顔をして、私の頭をポンポンと撫でる。


「どこにいてもわかる…絶対に見つける。」


ふいに優しく笑いかけられ、私は赤くなった顔を隠すように俯いた。


すっと目の前に左手を差し出された。


「?」


「ほら…手…出せ。繋いでないとはぐれるだろ。」


「はっはい」


おずおずと手を差し出すと、大きな手が私の手を包み込んだ。


「お前の手、随分冷たいな。」


大きな手から温かい体温が流れ込んでくる。


「階段でこけるなよ。お前がこけたら俺も一緒に転がり落ちるんだからな。」


「はっはい、頑張ります。」


「クッククク…階段ごときに何を頑張るんだよ。」


歳三さんは笑いながら私の手をひいて階段を上る。


足が短い私は、歳三さんについて行くので精一杯だ。


「…悪い…少し早すぎたか?」


「はひ…大丈夫です」


「嘘つけ。息が上がってる。」


途中で立ち止まり、ゆっくりと深呼吸をしながら息を整える。


ふと階段の下を見ると、桜花の皆が次々と上がってきていた。


「土方さん、先行くぜ!」


「ethlinも早く上がって来いよ♪」


永倉さんに肩車された平助君が目の前を通り過ぎて行った。


「おやおや…永倉君は元気ですね。」


山南さんがニコニコ笑いながら近づいてくる。


原田さんと手を繋ぎながら、おねぇも上がってきた。


その後ろを近藤さんと並んで沖田さんがついてきている。


「あっ…」


「ゆすら大丈夫か?俺に掴まれ。」


「はい、一さん。」


躓いたゆすらさんを支えるように、斎藤さんが腕を伸ばした。


「藤堂さん!卑怯ですわよ怒永倉さーん!私もおぶって行きなさーい!!」


冗談なのか本気なのか。伊東のおじさんが大声で叫んでいる。


そうだ。


振り向けば皆が私の傍にいる。


見上げれば皆が私を待っている。


そして私の隣には…


「そろそろ行くか?」


私は「はい」と小さな声で答えた。


時間がかかるかもしれないけど、以前のように笑える日がきっとくる。


氷の時代が終わり、暖かな小川の流れる季節がきっと来る。


今は一歩一歩前へ進もう。


温かい光差す未来へと向かって。