これは薄桜鬼の完全二次小説です。
なおねぇ(なお )とリレー中の桜花シリーズのキャストでお送りしております。
が、キャラが著しく崩壊しておりますので、十分にお気をつけください。
禁断の書物~ 白ばらちゃんと赤ばらちゃん~③ で白ばらちゃんの胸をわしづかみし、狼さん かく語りき ② で赤ばらちゃんに絶交宣言を言い渡された狼さん(コメント参照の事)。
赤ばらちゃんと狼さん で仲直りの気配はありますが…その後どうなったのでしょうか。
赤ばらちゃんの誕生日から数日が過ぎた。
赤ばらちゃんの機嫌は直ったみてぇだが、正直どう接していいのかがわからねぇ。
最近赤ばらちゃんは俺を避けている…気がする。
やっぱり白ばらちゃんのボインを触った事を怒っているのか?
それとも総司が俺の事を「エロ狼」と告げ口したのか?
「赤ばらを食いたい」と言ってた意味がわかっちまったのか?
…
……
………どの道俺が悪いんじゃねえか。
ちくしょう…なんか気持ちが落ちてきたな。
俺は悪い魔法使いの呪いで狼の姿に変えられ、冬の妖精の森の中を彷徨っていた。
凍死寸前のところを白ばらちゃんと赤ばらちゃんに助けられ、この家で冬を過ごす事となった。
同じく森で凍えていた虎(総司)を助けた白ばらちゃんは、乙女のキスで元の姿に戻った総司と城へ行って、俺と赤ばらちゃんは幾日かの寒い冬を二人だけで静かに過ごした。
春間近になったところで白ばらちゃんがこの森に戻って来て、総司は白ばらちゃんを追いかけてきた。
同じく魔法をかけられた熊の新八と黒豹の佐之助も加わって、今では騒がしい毎日になって…シスコン白ばらちゃんの嫌がらせが相当あったものの、俺と赤ばらちゃんは仲良くやってきた。
それが急に話をしなくなったとなると…寂しいもんだな。
ふと窓から庭を見ると、赤ばらちゃんが洗濯物相手に悪戦苦闘していた。
干し竿が高すぎてシーツが干せないらしい。
「ったく…なにやってんだ…」
手伝いに部屋から出ようとすると新八が庭に現れ、あっと言う間にシーツを干し竿に引っ掛けてしまった。
「熊さんありがとうございます♪。熊さんは~体が大きいから何でも出来ますね♪」
「がははは…シーツ干すくらい朝飯前だぜ。ほら、他の洗濯物も干しちまおうぜ。もうすぐ朝ごはんの時間だ」
「今日はこの前熊さんと取ってきた~ブルーベリーで作ったスコーンですよ(≧▽≦)♪」
「おっ!楽しみだな。ほらよ、終わったぜ」
新八はひょいと軽く赤ばらちゃんを抱いて肩に乗せ、家の中に戻って行った。
(ちくしょう…最近は赤ばらちゃんは新八の野郎にべったりだな。白ばらちゃんも『熊さんになら、赤ばらちゃんをお任せしてもいいと思うわ』なんて言うしよ…『赤ばらちゃんが食いたい』って言い過ぎた俺が悪いのか?そうだな…全部俺が悪い…。赤ばらちゃんを食いたいって散々言った事も、白ばらちゃんのボインが本物か確かめようとした事も、ボインを触っちまった事も…)
しかし、過ぎた時間は巻き戻す事は出来ない。
(食いたい以前に…話が出来ねぇとなると…寂しいもんだな)
秋の気配に飲まれ、俺は少し感傷的になっているらしい。
(人間の姿なら、花街に行って気分転換でもするんだが…妖精の森に来てからはそんな気分にもならねぇな。かえって花街なんざどうでもいい…。声をかければ簡単に落ちるような女を相手にするのは虚しいもんだ。結局は…見た目と王子って肩書き惹かれてるだけじゃねぇか…)
コンコン
感傷に浸っているとノックの音が響いた。
「開いてる…入れ」
ドアが開き、白ばらちゃんが顔を覗かせる。
「おはようございます、狼さん。朝食の時間ですよ」
「おはよう、白ばらちゃん。悪いが少し考え事をしてぇんだ…先に食っててくれ」
白ばらちゃんは「あらあら」と言いながら部屋に入り、俺に近づいてきた。
「狼さんまで元気がないのかしら?困ったわ」
「俺以外誰が元気がねぇって言うんだよ?クッ…総司の奴か?大方佐之助にやきもち妬いてんだろうよ」
「あら…本当に気がつかないの?」
白ばらちゃんはきょとんとした顔で俺を見つめている。
「新八の奴は相変わらず能天気でめでたい頭してるしよ、赤ばらちゃんは毎日新八と楽しそうにしてるじゃねぇか」
「本当にそう思う?」
「事実そうじゃねぇか。白ばらちゃん、アンタが望む通り赤ばらちゃんは新八に懐いている。それに新八になら任せられられるだろ?腕っぷしが強くて優しくて…第一『赤ばらちゃんを食いたい』なんて…ひでぇ事言わねぇ」
白ばらちゃんの望む通りになった。
ただそれだけだ。
そうだろ?俺みたいに散々女を泣かしてきた奴より、新八みてぇな気の優しい奴と一緒にいるほうが赤ばらちゃんだって幸せになれる。
「…とにかく、少し考え事がしてぇ…悪いが一人にしてくれ」
そう言って背中を向けると、白ばらちゃんは俺の手を取り引っ張って歩き出した。
「てめぇ…人の話を聞いてねぇのか!?」
手を振り払おうにも、白ばらちゃんの手はギリギリと音を立てるくらい強く俺の手を掴んでいる。
「今日狼さんにはお願いしたい事があります。だからそのために朝ごはんはしっかりと食べてもらわないとね♪」
結局俺は白ばらちゃんの怪力を振り払う事が出来ず、ダイニングへと向かう事になった。
いつもと同じ朝食の時間。
温かい料理と飲み物が出され、皆でわいわいと楽しく食事の時間が過ぎていく。
赤ばらちゃんは相変わらず新八の膝の上に座り、ご満悦な顔でスコーンを頬張っている。
(おいおい…ぽろぽろ落としてるじゃねぇか…ほら…バターがたれてやがる。カップはもっとテーブルの内側に置かねぇと袖にひっかけるだろ?…って…俺はお袋かよ…?)
「嫌だな~兄さん。そんな怖い顔で見つめられたら、食欲が落ちるじゃないか。クスクス…でも視線の先の人は全然気がついていみたいだけど」
「ちっ…総司、うるせぇ!お前は白ばらちゃんの顔だけ眺めてろ」
さっさと食ってさっさと部屋に引きこもりてぇが、白ばらちゃんから頼みごとをされている以上そういうわけにもいかねぇ。
総司のからかう声にイライラしながらも、黙って熱い茶をすする。
そんな俺の様子を黙って眺めていた白ばらちゃんは、赤ばらちゃんににっこりと笑い声をかけた。
「ねぇ、赤ばらちゃん。お願いがあるんだけど」
「なぁに白ばらちゃん♪」
赤ばらちゃんはキラキラとした目を白ばらちゃんに向けた。
「今日、狼さんと二人で栗を拾ってくれないかしら?」
俺の名が出たところで、赤ばらちゃんの顔が突然曇った。
「…熊さんは?」
憮然とした顔で新八に問いかける。
「赤ばらちゃん、悪いな。今日は佐之と薪割りをしなくちゃいけねぇんだ。んで、その後は久しぶりに二人で剣の稽古だな」
「ふーん…わかった…」
それだけを口にすると、赤ばらちゃんは黙ったまま俯いてしまった。
「おい、新八、薪割りなら俺がやる。お前は赤ばらちゃんと…」
「いてててて…ううぉぉ~腹がいてぇ~」
新八はいきなり下手な芝居を始めた。
(なんだ?新八の奴…なにしてんだ?)
「熊さん!大丈夫ですか?」
しかし赤ばらちゃんが芝居だと気がつくわけでもなく、新八を心配してあたふたと背中をさすっている。
「大丈夫だ、赤ばらちゃん。ただよ…いつ腹が痛むかわからねぇから、栗拾いには行けねぇな。悪いな…今日は歳三と一緒に行ってきてくれ」
「新八を栗拾いに連れて行ったらよ…きっとがっついて生の栗を食って余計に腹痛起すぜ。赤ばらちゃん、今日は歳三王子と一緒に行ってきてくれ。美味そうな栗をたくさん拾ってくるの楽しみにしてるぜ」
唖然としながら新八と佐之助に視線をやると、二人はただニヤリと笑う。
白ばらちゃんはニコニコと笑いかけ、総司はと言うと…そんな白ばらちゃんに見とれている。
赤ばらちゃんは…めっちゃくちゃ嫌そうな顔に眉間に皺を寄せてミルクを飲んでいる。
(おいおい…ここまで拒絶されてるのによぉ…白ばらちゃんといい…新八と佐之助といい…何考えてやがる…)
しかし俺の疑問に誰も答える者はなく、俺と赤ばらちゃんは言われた通り栗拾いに出かける事となった。