なおねぇのところからひっぱってきた、クラブ桜花出張版です。
薄桜鬼の完全二次小説となっています。
苦手な方は脱出してください
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夜23時
いつもの通りあの人に電話をかける
一回…
二回…
七回目のコールが終わったところで電話を切る
「お仕事忙しいんだな」
カタカタとメールを打ち、文章を読み返してみる
『歳三さん お仕事おつかれさまです。今日はすごくいい事がありました。明日お花を買いに行くので、その時にお話しますね。おやすみなさい』
布団に潜り込み、明日の事を考えながら眠りについた。
朝、起きるとメールが二通届いている。
「ん…歳三さんから二通?」
最新のメールから開いて内容を確認する。
「ん…?んんん???」
目を擦りながらもう一度読み返す。
「えっ?…なに?……なにコレ…?」
読めば読むほどその内容が信じられず、頭が混乱してくる。
その先に届いていたメールを確認する。
『声が聞いたかったが、もう寝てるな。おやすみ。明日お前が来るのを楽しみにしている』
ますます次のメールの意味がわからなくなる。
「なに?誰かの悪戯?…って…こんな事するの…あの人しかいないもん…もう…ヤダ…」
せっかく休日がどんよりした空気で始まった。
「土方さん、今日は新八さんの配達について行くから、お店の方よろしくね」
総司がニコニコと近づいてくる。
「なんか気味悪いな…お前、配達より店がいいって言ってたじゃねぇか?」
「ほら、やっぱりいろんな仕事を憶えないとね。土方さんは愛想笑いの一つでも覚えたほうがいいんじゃない?」
「うるせぇ、余計なお世話だ」
そう言いながらも少しだけホッとしている。
(今日来るって言ってたからな…。まったくこいつは小学生か?あいつにくだらねぇ悪戯ばっかりしやがって…)
「とにかく早く行け」
「はいはい…コロボックルちゃんによろしく~」
最後の言葉が気になるが、あいつが来る事なんて知るはずもないはずだ。
客足が少し落ち着いてきた昼頃、表で何かが転倒した音が響いた。
「なんだ?自転車かなんかの事故か?」
佐之助が花束を作る手を休めて表に出ようとする。
「佐之助、俺が見に行く。作業を続けろ。平助、佐之助の仕事を手伝え」
それだけ指示して、表へ出る。
ビルの横から見慣れた黒いリュックが見えた。
「ethlin?」
覗くとethlinがもたもたと倒れた自転車を起こそう四苦八苦していた。
「なにやってる?」
「あっ・・・あっ・・・歳三さ~ん」
起こしかけの自転車がまた倒れる。
「とにかく落ち着け…何があった」
俺が自転車を起こしている間に、なにやら携帯をいじって、「コレ」と泣きながら画面を押し付けられた。
「…なんだ?これは…ただの悪戯メールじゃねぇか。こんなもんにびびって泣いているのか?」
そこには歯の浮く様な甘い台詞が長々と羅列されている。
「とっとと消せ。あとこのアドレスからのメールを拒否する設定をすればこんなもん…二度と来ないだろう」
そう言いながら差出人を見ると…
From 土方歳三
「………」
「違いますよね?こんな変なメールは歳三さんからじゃないですよね?コレの前にくれたメールが歳三さんからのメールですよね?」
ethlinは半泣きの顔でおろおろとしている。
昨日確かにメールは送った。
こいつからメールをもらってから時間が経っていたから、店じまいの時に一通のメールを入れた。
ごくごく普通の簡単なメール文章だ。
送信した後は山南さんに呼ばれて…カウンターに携帯を置い少し離れた…な。
戻った時は同じ場所にあったが、あの日桜花にいたのは新八と平助、山南さんは俺と一緒で…後は…。
「総司…あの馬鹿野郎…俺の携帯を勝手にいじりやがって…」
総司の名前が出るとethlinは真っ青な顔になっておろおろし始めた。
「もうヤダ…あの人。しょっぱなから意地悪するし、歳三さんにいないときにお花買いに行ったら『明日は雨が降るから傘貸してあげるって…ヤツデの葉っぱくれるし…。自転車で帰ろうとしたら『足届くんだ』とか嫌味言うし…もう私の事めちゃくちゃ敵視してるんだもん」
敵視と言うより…格好のおもちゃ扱い…だな。
「総司には俺からきつく言っておく。とにかくこの妙な内容は忘れろ」
「うっ…うぅぅぅぅ…」
「飯…食ったか?まだなら隣で奢ってやる。総司は配達に出たから夕方までは帰ってこない。安心しろ」
べそをかくethlinを連れて隣のCafeへ移動した。
ethlinは1時間半ほど話をするうちに機嫌もよくなり、帰りにはいつもの笑顔で帰って行った。
少し陽が落ち、多くの学生達の集団が店の前を通る頃、携帯がなった。
大方ethlinが家に着いたと電話してきたのだろうとディスプレイを確認したが、画面に現れた名前は
「コロボックル…って…まさか総司の奴、人のアドレスまで弄りやがって。まさか…あいつのアドレス写したんじゃないだろうな…。佐之助!総司が帰って来たら必ず俺のところに連れて来い。必ず携帯持参でだ。くっそ!あいつの携帯のアドレス、全部消してやる
」
「そろそろ土方さん、気がついた頃かな。クス…土方さんって意外とロマンチストだよね。ダテに俳句が趣味ってわけじゃないんだ」
「なんだ?土方さんのロマンって?」
長い渋滞に巻き込まれて少しイライラした新八さんが隣で叫ぶ。
「新八さんには理解で出来ないかもね。女の子に花の名前をつけるなんて…。まぁ…女の子以前かな…相手は妖精だしね。BB(ベベ)ちゃん…Baby Breathか…確かに世間知らずでスレてない辺り赤ん坊に近いし、あの地味さはあの花そのものだよね。でも、コロボックルちゃんが一番合ってると思うけどな…。あっ、新八さん、渋滞は無理に抜けなくていいよ。ゆっくり帰った方が土方さんの怒りも少しは静まっているだろうし」
ポケットから携帯を取り出し、アドレスを開く。
「土方さんの大事なBBちゃんのアドレスは盗んでないですよ。だって僕は人間の女の子にしか興味ないし。どうせならお姉さんのアドレスが欲しいな。どうやって聞き出そうかな」
ゆっくりと車が進む中で、僕はあのお姉さんの事を静かに思っていた。