ちょっと最近お休みが多くていいんだか悪いんだか、まあ書いてるからね、ま、いっか。

 

 

という訳で、書かなきゃいけないのにもう我慢できませんでした...映画を観に行きました。

 

ごめんなさい。

 

 

あの1986年の大ヒットハリウッド大作「トップガン」の36年ぶりの続編...ジョセフ・コシンスキー監督の、いやトム・クルーズの「トップガン マーヴェリック」をようやく、ようやくだよもう、3年待ってやっと観ることができた。

 

 

実際には2019年公開の予定だったものが製作の諸々の遅れとまさにコロナ過の影響で伸びに伸びで今年ようやく...もうホント、長かったよ。

 

 

ここ2年くらい劇場ではもうほぼIMAXでしか映画を観ていないんだけど、今日もまさに”Filmed for IMAX”なのでね、必然的にユナイテッドシネマとしまえんのIMAXレーザーで。

 

そのとしまえんには子供が大勢押し寄せていて何事かと思ったら、なるほど恐らく昨日例えば運動会か何かでその振り替え休日とかそういうことなんだろうか、ギリギリで着いたのでパンフレットを買おうとしたら売店に長い列ができてて、それでも並んでゲットしようとしたんだけど、時間が迫ってきたので途中で諦めて、発券機で発券して即エスカレーターに乗ってスクリーン8、IMAXレーザーに向かった。

 

 

今日もいつものH-17の席で。

 

この映画はそれこそF-14とかF-18で観た方がいわゆる「通」なのかも知れないけど、ミリタリーオタクではないしね、名より実を取るということでUCとしまえんのIMAXでは、いつもの通りのマイベストポジションのH-17で。

 

「トップガン マーヴェリック」...ようやく観た、観ましたぞ。

 

 

ここ最近は時間が経ち過ぎて作られる古いメジャー作品の続編やリメイクというのが数多く作られてるけど、それらが割と高い確率で失敗してることもあって、そういう意味では少し心配でもあったんだけど、さて...

 

 

 

いやいやいや、もうさ、そんな心配なんてどこ吹く風、これぞ王道、まさにご機嫌な胸熱ハリウッド娯楽超大作。

 

 

オープニングからこれでもか、これでもかと前作の韻を丁寧に踏んでいて、黄昏に染まる映像で魅せる戦闘機の発着やら何やらから、そのクルーの華麗な動き、音の使い方、音楽の使い方まで、いやそれのみならずクレジットの文体、字幕の説明の中身も含めてことごとく前作「トップガン」とほぼ同じでね、もうのっけからイッキに80年代に呼び戻されて、魂を奪われてしまったよ。

 

実は昨日再度「トップガン」をおさらいしてて記憶が新鮮だったというのもあって、もう物語の構成からシーンひとつひとつのポイントもしっかりと踏まえてて、なおかつキャラクターの描き方、アンサンブルのバランスも前作のまんま、でもそれがことごとく心地いいんだよね。

 

 

語弊があるかも知れないけどジョージ・ルーカスが「スター・ウォーズ」のプリクエル三部作でもオリジナルの韻を丁寧に踏んでいて、その際にはどこか新鮮味に欠けた印象があって違和感があったんだけどね、今回は違和感どころか、もうこういう描き方しかないだろう、こういう韻の踏み方しかできないよね、いや逆にしなきゃいけないよねと素直に納得できるようなどこか強烈な説得力があったように思う。

 

 

ただもちろん「続編」としてのオリジナリティが描かれているポイントはしっかりとあって、第1幕はまるで「ライトスタッフ」のチャック・イェーガーばりの描写で始まり、そこで戦闘機そのものが無人機に取って代わられる狭間でもがき苦しむ「アビエイター」たちの葛藤も含めたその時代性が描かれ、そこから更にトム・クルーズ演じるマーヴェリックが加齢と世代交代の狭間でもがきつつ過去を引きずって生じる様々な葛藤、とりわけ今回は前作で死んだ相棒グースの息子、ルースターとの軋轢と葛藤がこの作品の最大のドラマとしてあって、それらをシンプルかつ逃げずに描いていたように思う。

 

 

もうね、予告編を観ただけでどんなお話かは手に取るようにわかる、そんな単純明快な作品ではあるんだけど、トム・クルーズのその実写へのこだわりはハンパなくて、おそらくCGの映像は最小限に抑えられていることが素人目にもよく分かって、まさにアナログの、本物の、デジタルでは出せないであろう「リアル」がそこに確かにあって、そういう意味でもアナログ時代ならではの映画の醍醐味を曲がりなりにも経験している私には特に胸に迫る部分でもあった。

 

IMDbのデータを見る限りではIMAXバージョンは全編アスペクト比固定なのかと思ってたんだけど、実際にはスコープサイズと1.90:1を巧みに使い分けてて、まさに肝心なシーン、とりわけドッグファイトになるとIMAX全開、上下に画面が広がって没入感がグッと増すので、その恩恵にも充分浴せたように思う。

 

 

あとはもうねえ、ヴァル・キルマーが盟友アイスマンとして出てるだけでなく、彼が役者として「復活」した経緯もあってそれもふくめて泣かせるしね、もうとにかくクルーズのショーマンシップの度が過ぎるというか、まさに娯楽の殿堂ハリウッドの申し子かよという、そんな思いをより強くした。

 

 

ていうかさ、もうネタバレを避けるとこれ以上何も言いようがないんだけど、まあとにかく前作に対するリスペクトがとても心地よくて、なおかつクライマックス...そうくるか! そうきちゃうのか! からのラストもまたリスペクトで終わるという、もうよくも悪くもテッパンのハリウッド娯楽超大作。

 

 

でもやっぱり個人的にはデジタルに頼らないアナログの矜持、CGには決して出せない本物の「リアル」を感じられたこととトム・クルーズの飽くなきショーマンシップには今更だけど感心する。

 

 

先日来日してたクルーズは少しお疲れ気味なのか、さすがに老けたかなと思ったけど、これからもまだ企画は目白押し、それこそ「ミッション:インポッシブル」の第7作、第8作も控えてるしね、その快進撃はもう少し続きそうだなと、今日「トップガン マーヴェリック」を観て思った。

 

 

最初から最後まで、情けないけどウルウルしっぱなしで、ていうかね、今書いているお話とプロットがとても似ていることに気付いて、それも含めてニヤニヤしながら、もう素直に、ホント素直に娯楽の王道っぷりに身を任せるだけだった。

 

監督のジョセフ・コシンスキーという人は「トロン:レガシー」を撮って世に出たのかな、同じクルーズ主演の「オブリビオン」以外は観たことがないんだけど、前作を撮ったトニー・スコットのタッチをリスペクトを持って踏襲してて、よくも悪くも個性を抑制してたように思ったんだけど、これはもうしょうがないよね、こう撮るしかないよね、これでいいんだよねとしか言いようがない。

 

それでもドッグファイトはIMAXデジタルカメラ全開で、戦闘機の映像そのものもコクピット内の人物の描写も前作よりはより引いた画が多くて、尚且つカメラの台数も圧倒的に多く、編集の鮮やかさも含めて迫力だとかリアルさは明らかに増していて、そこはコシンスキーのオリジナリティであり「お手柄」だといえるのかも知れない。

 

あとはやはり音だなあ。

 

IMAXレーザーシアターならではの爆音もさることながら、私の年齢層にとってはまさに前作と同じ「音」によって「タイムスリップ」してしまうんだよね。

 

前作を踏襲したハロルド・フォルターメイヤーのスコア、あの冒頭の「アンセム」と映像のリフレインには私の年代にはまさに感覚を揺さぶられるというか、ノスタルジーが駄々洩れではあるけれど、すっかりあの80年代に「タイムスリップ」させられて、飲み込まれてしまった。

 

エンディングテーマはさすがにレディー・ガガの新作が充てられていたけれど、それ以外の音楽、音響は間違いなく前作のそれで、ドッグファイトのアップデートも含めて、とにかく音に揺さぶられる映画でもあった。

 

 

奇しくも公開延期で重なってしまった今のロシアのウクライナ侵攻が起きている悲惨な現実とか、それこそ軍事大国アメリカの相も変わらない傲慢を思えば、こういう類のミリタリーアクションの存在意義にいろいろ言及できる余地はあるだろうし、もろに国際法違反の先制攻撃だしね、あるいはそれらを差し引いたってシネフィルぶってあれこれ皮肉を言えればいいんだけど、やはりシンプルにハリウッド娯楽大作として捉えればそれは野暮というものだし、それより何よりそんなのはどうでもいいと思えるほどシンプル・イズ・ベストの胸熱な続編だった。

 

トーマス・クルーズ・メイポーサー4世...ハリウッドスター、エンタメムービーの申し子トム・クルーズの映画人生そのものがマーヴェリックというキャラクターに重なるようで、ある意味入れ子構造にもなってたんだけど、まさにその本領発揮、彼のスターとしての集大成とでもいえそうな、そんな満を持して登場した出世作、大ヒット作の続編「トップガン マーヴェリック」であった。

 

 

ちなみに観終わった後、恐る恐る売店に行ったら...パンフレット、ゲットできた...ホッ。

 

ここ最近は買うときにあえて「〇〇のパンフレット、”まだ“ありますか?」とあえて言っている。

 

なかった時のショックを最小限に抑える防衛本能と、あえて「まだ」をつけてパンフレット文化衰退を危惧している気持ちを少しでも業界に届けたいと思うから。

 

ま、届かないか。

 

 

さて、もう映画は本当に封印。

 

 

「悪あがき」を。