日曜日。

 

コロナ禍に沈む日本...加えて安倍政権が姑息にも国家公務員法改正案に抱き合わせて検察庁法改正案と称して、先日閣議決定で強引に官邸の守護神、いや安倍の番犬・黒川検事長の定年を延長した違法行為を後付けで正当化しようとする蛮行に、国民が怒っている。

 

これまで多くの日本人は無関心を装い、諦念を決め込んで、安倍政権の悪行を看過し続けてきた訳だが、このコロナ禍において愚策に愚策を重ね、後手後手に回っている極めて消極的な安倍政権の態度に業を煮やし、そのうっ憤が今回の強引な政権運営に飛び火した形となっている。

 

にしてもさ、これまでもモリカケ問題やら、自衛隊日報問題やら、もっと遡れば安保法制強行採決、特定秘密保護法、水道法改正、カジノ法案、種苗法改悪などなど、最近では桜を見る会事件ともうね、悪政に悪性を重ねてきた憲政史上最悪の政権なのにね、この8年そのすべてを日本国民はずるずると看過してきたのにさ、急にコロナ禍に晒されて、安倍失政により命の危険が迫ってようやく気付くというね...ここまでされて慌てて安倍政権の酷さに急に目を向ける、しかもこれまでの問題と比べれば検察庁法改正などという渋い案件に噛みつくという皮肉も加わって...とにかくさ、今更遅すぎるんだよ!

 

 

それはともかく鈍感で不感症な多くの無関心層がようやく覚醒したことは喜ばしいことには変わりはない。

 

コロナ禍がそのきっかけになるとは何とも皮肉な展開だけど、野党は反対ばかりとか、自民党の方がましとか、安倍以外にいないとか、そういう根拠薄弱な妄想に洗脳されている多くの愚民が、少しでも政治に興味を持ち、ていうか興味を持つことが当たり前な日本社会になりそうなのはいいことだ。

 

自粛、自粛でこれまで国会のやり取りを見たことがなかった人たちが、この安倍政権下での国会の子の体たらくに気付いたことも大きい。

 

「国会中継なんて初めて観たけど、こんなひどかったなんて、全然知らなかった」

 

そうなのだ、安倍政権下ではこれまでずーっと質疑がかみ合わない、ご飯論法が横行する、閣僚がヤジを飛ばしても平気な、こんなひどい国会だったんだよ。

 

 

無関心層、投票に行かず自公に白紙委任したあなたたちはその罪深さを思い知り、後悔し、猛省してもらいたい。

 

 

...ふう。

 

とにもかくにも週明け、強行採決が阻止できるのかどうか...これまでの安倍政権ならサクッとやっちゃうだろうが、ここまで盛り上がった世論を敵に回してそれができるのかどうか...注視したい。

 

 

 

という訳で前置きが長くなったが日曜日なので映画を。

 

 

今日は趣きを少し変えて、市川雷蔵主演の「沓掛時次郎」を。

 

2013年8月にBSプレミアムにて録画してあったものをようやく...最近、こんなんばっかだな。

 

股旅もので有名な長谷川伸の戯曲が原作で、昭和初期に何度も映画化されたものだが、今日観たのは1961年、昭和36年の大映作品で、監督は池広一夫という人。

 

やくざが渡世人の義理人情のいざこざに巻き込まれて、恨みを買ってしまった母子に義理を立てての逃避行、股旅もののど真ん中のロードムービー。

 

もうあれこれ言うのも野暮な、義理人情に厚い腕っぷしのいいやくざがシングルマザーとその息子を守りながらもやくざの抗争に巻き込まれていくというね、古きよき昭和の香り、まさにテッパンのお話。

 

これまでも長谷川伸原作のものはいくつか観たことがあるんだけど、この作品は小説家としての彼が行き詰っていた時に復活を遂げるきっかけとなった戯曲だということらしく、同時に彼の代表作でもあるようだ。

 

それだけにもう何度も映画化されていて、加えてテレビドラマや漫画にもなっている、そんな有名なお話。

 

 

逃亡劇、巻き込まれ型、そこに組み込まれたやくざの対立構造、義理人情と恋心の狭間で揺れ動く時次郎の葛藤などなど、まさにご機嫌な娯楽作、よくできた教科書。

 

久し振りに市川雷蔵の雄姿を見たけど、もうね、男でも惚れてしまいそうなそのたたずまい、美しさ...これぞ映画スターだよね。

 

加えてヒロインの新珠三千代...もうさ、何で昭和の女優ってこんなにきれいなの、こんなに輝いてるのというね。

 

他にも杉村春子、稲葉義男、そして志村喬...昭和...ああ...いい時代だ。

 

 

...っと、こういう短絡的なノスタルジーはあまり建設的ではないね。

 

 

まあいいか、いい映画を観たという事実には変わりはない。

 

 

という訳で、いろいろと閉塞感が漂く昨今ですが、私は私にできることを淡々とこなす...それに尽きる。

 

 

少しだけ、色気を出しつつも、それでも地道に、地道に...