さて引き続き、ブロスナン・ボンド。

 

 

シリーズ開始40周年、シリーズ通算20作目、2002年の「ダイ・アナザー・デイ」を観た。

 

いろんな意味でちょっとした集大成、こなれてきたブロスナン・ボンド。

 

 

ただ物語そのものは南北北朝鮮問題が絡む、何とも物騒なお話で、アヴァン・タイトルから意外性の連続、ボンドが捕虜になっちゃうというね。

 

 

この辺りはシリーズを積み重ねてきて、作り手の様々な創意工夫、いや苦悩が垣間見えるところでシリアス路線に舵を切ったと思わせたのも束の間、やはり全体的にはこれまでのブロスナン・ボンドのカラーは踏襲されていて、やはり能天気で「ありえねー」展開のてんこ盛り、娯楽作品として素直に楽しめたように思う。

 

 

 

前作に引き続き、ボンドガールがふたり出ているのだが、今回はアメリカのエージェントでハリー・ベリー、ボンドの監視役、MI6のエージェントのロザムンド・パイクという、これまで以上に強い女たちが大活躍。

 

 

ただ、やはりちゃんとボンドガールしてて、ふたりともとても魅力的。

 

 

回を重ねるごとに存在感を増しているジュディ・デンチの“M”もさらにキャラクターが掘り下げられ、ボンドに対する「疑惑」を通して対立構造がさらに際立ち、物語全体に厚みを持たせている。

 

 

ブロスナンのボンドはこの4本で終わったのだが、全体を通してその一貫性というか、カラーがちゃんと踏襲されていていい意味でオリジナリティはあったように思う。

 

 

コネリーでもない、ムーアでもない、ましてやレイゼンビーでもダルトンでもない、ブロスナンのボンド。

 

 

まあでも何だろう、いいとこどりというか「折衷」というか、そういう意味では強烈な個性という訳でもなかったのかな。

 

 

余談だが、ブロスナンの4作品はすべて邦題が原題英語をそのまんまカタカナにしただけというね。

 

意味不明なバカ邦題は嫌いだけど、カタカナ邦題も何か趣に欠けるというかね、つまらないといえばつまらないね。

 

 

 

さてこれでようやくボンド映画を全て制覇...今更だけど。

 

 

改めて思うのは、人気シリーズの偉大さと難しさ、ホントいろんな意味ですごいなというのと、私はやはり「カジノ・ロワイヤル」が一番好きだなということ。

 

 

まあこれはね、やはり往年のボンド・ファンにはバカにされるだろうけどね、特別強い思い入れがないし、原作も読んだことないしね、いくら子供の頃から親しんでいるシリーズとは言え、やはり2006年の「リブート」、原作第1弾を晴れてちゃんと映画化した「カジノ・ロワイヤル」が大好きだ。

 

 

 

まあでも今回ようやく全作制覇してみて、改めて若い頃に観たっきりの「女王陛下の007」やらティモシー・ダルトンの2作品とかね、観直してみたいね。

 

 

この歳になってみると、きっとそのシリーズの中でも地味な印象の作品たちに実は深いドラマ性が潜んでいたり、原作のエッセンスがより明確に理解できたりするんじゃないかという期待が、どこかにあったりね。

 

 

もちろんコネリーのもムーアのも、改めて観たいけどね。

 

それこそ番外編、1967年の「カジノ・ロワイヤル」とか「ネバーセイ・ネバーアゲイン」なんかもね、気になるし。

 

 

ていうかさ、やはりもうダニエル・クレイグは新作に出ないんだろうか。

 

個人的にはポール・ハギス脚本でダニエル・クレイグ最後の“BOND 25”が観たいんだけどね、無理だろうな。

 

 

ハギスはサイエントロジーがらみで問題があるのか、「カジノ・ロワイヤル」と「慰めの報酬」以来、イオン・プロとは縁が切れているようだし...

 

 

 

まあどう転がるにせよ、これからも“JAMES BOND WILL RETURN.”だね。

 

 

ああ、007ばっかり、なんだかんだで、私も好きなんだな。

 

 

007制覇、おなかいっぱい。

 

 

私の本物のおなかはペコペコだけど。