昨晩、久し振りに夜更かシネマ。
今回は古典のお話、昭和34年の新東宝の作品、「東海道四谷怪談」。
おお、天知茂だ。
怪談話で目も覚めるかと思ったが...やっぱり眠くて、寝てしまったので今、その感想を綴る。


8月7日にBS2で放送されたものを録画していた映画。
季節的にはまさに「怪談」ということでタイムリーな放送だったのだが、昨晩までお預けだった。
終わりつつある夏...何とか間に合ったかw。
映画の詳細はこちらに。


http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=86145#1
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E6%B5%B7%E9%81%93%E5%9B%9B%E8%B0%B7%E6%80%AA%E8%AB%87#.E6.98.A0.E7.94.BB.E4.BD.9C.E5.93.81.EF.BC.88.E6.88.A6.E5.BE.8C.EF.BC.89

いわゆるお岩さんの「四谷怪談」である。
この作品はその数多くある映画化作品の中で最も評価の高いとされているものなのだそうだ。
最近では佐藤浩市と高岡早紀のコンビ、深作欣二監督の「忠臣蔵外伝 四谷怪談」が記憶に新しい。

とにかく伊右衛門のエゴによって次々に繰り広げられる「悪事」がとんでもなくひどいw。
そりゃあお岩さんも化けて出るよって。

80分足らずの短い作品の割には、テンポは緩やかw。
天知茂扮する伊右衛門が欲望と自己保身のために次から次へと人を殺して、どつぼにはまっていく過程が、いわゆる真綿でゆっくり首を絞められるというか、その痛々しさ、恐ろしさが徐々に私の呼吸を苦しくしてゆく。
で、ついに彼に殺された側の「復讐」が始まると、まさに「ザ・怪談」。
ホラー映画でもオカルト映画でもない、日本の「怪談映画」。
独特だ。
怖いか怖くないかは別にしてw、これはもうひとつの立派なジャンルなのだろう。

この映画は1959年(昭和34年)封切。
今の映画にはない独特のおどろおどろしさは、やはりド迫力なのである。
お岩さんの顔が崩れていくところなんて、特殊メイクの技術云々ではない、まさに「時代」が作り上げた恐ろしさ。
演じた女優さん(若杉嘉津子さんという人)がちょっと気の毒に思えるほど、その豹変ぶりはインパクト大だ。

伊右衛門を演じた天知茂は、私にとってはテレビ朝日の土曜ワイド劇場「明智小五郎」シリーズのニヒルさが強烈な印象として残っている二枚目俳優だが、今回若い天知茂が見られたという意味では貴重な体験だったかも。

納涼...という訳にもいかなかったがw、ギリギリで夏の「怪談」体験。
ちなみにもう一本「怪談」という3時間の大作が、ウチのHDDに待機中。
近日中に挑戦したい。