市川崑監督が亡くなって、しばらく経った。
今月のNHKのBS-hiのテーマは「愛」だそうで、映画放送もそれにちなんだ作品が並んでいた。
今日観たのは、その市川崑監督の昭和63年(1988年)の愛の物語「つる -鶴-」。
吉永小百合の映画出演100本目の記念作品でもあるということだ。
詳しくはこちら。

http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=86135#1

市川版「鶴の恩返し」だが、そこに見え隠れするテーマは重い。
幸せをつかむためには何が必要か...お金か、それとも...
市川崑に料理させるとこの有名な民話も何だか格調高い。
人間の欲望の末路は...胸元に何かたたきつけられたようなそんな気分になった。

20年前の吉永小百合の姿はとても美しい。
いや、今でもきれいだがw。
まわりの役者陣もさすがに豪華だったが、野田秀樹は...好き嫌いが分かれそう。
でもやはりあの「鶴」は...当時の日本映画の限界が見えて、少し悲しいw。

国内外、洋の東西を問わず、古くから伝承されてきた民話、神話というものの精神は、今も生きている。
情操教育に役立つものもあれば、大人こそが肝に銘じておくべき物語も少なくない。
映画、テレビドラマにだって何かしらの民話、神話のエッセンスが含まれているに違いない。

貧乏に耐えている私にはこの映画のテーマは特別だw。
幸せになるためにはある程度のお金が必要...でもそれがエスカレートすると...そのある程度のお金すら持ったことのない私には想像もつかないが、人間の経済活動って何だろう、お金儲けって何のためなのだろう、改めて疑問に思った。

例えば家族を養うためには働いて稼がなければならない。
でも、働きすぎると家族の絆がバラバラになってゆく...そんなテレビドラマが昭和の時代から山ほどあった。
人それぞれ、家族それぞれだろうが、生きるためのさまざまな活動がバランスよく出来るか出来ないか...それが幸せになるかどうかのポイントなのかも知れない。

...いや、私には、全く分からない...