完璧なる「置きにいった」感...「スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー」
ええ、分かってますよ、ええ。あなたは「悪あがき」の最中じゃないんですか? いいんですか? ええ、分かってますって。だってさ、目の検診で病院に行く日だったんですよ、仕事をお休みしてね、ええ。という訳でまずはあさイチで河北総合病院に行ってきました。正直言って自分の感覚では処方された薬を淡々と飲んでいても、全然回復する感覚がなくて、もう右目の中心がぼやけている感じがこれまで以上に「安定感」が増してきててね、効いてないじゃん、無駄じゃんというネガティブな気持ちでいたんだけど、今日実際に診てもらった限りでは右目に溜まっていた「水」がだいぶ引いているということで、私の感覚とは裏腹に一応「改善」に向かっているということ、らしい。という訳で引き続き新たな薬も加わり、このまま薬事療法でということに。さて...私の目はちゃんと見えるようになるのか...どうなることやら。だもんで相変わらず仕事に追われててという言い訳をしつつ「悪あがき」がなかなか前に進まない、いつのパターンにはまっているので「逃避」ということで池袋のグランドシネマサンシャインにてスピンオフではあるけれどシリーズ7年振りの劇場作品である「スター・ウォーズ/マンダロリアン・アンド・グローグー」を見てきた。いわゆるグラシネ案件、1.43:1案件ということでIMAX Laser GTで。加えてこの作品は同じIMAXでも2Dと3Dの両方で上映してる稀有なパターンなんだけど、上映回数や予約状況を見てみると3Dは人気がない模様。かく言う私も3Dじゃなくても1.43:1であるだけで充分かなということで2Dをチョイス。加えてIMAX以外にも最近の大作のトレンドであるさまざまな上映方式がある作品なんだけど、今回はさらに複雑...ま、それはここでは割愛するけど、スピンオフといえども「スター・ウォーズ」だしね、最高の環境で見たいと考えればやはり池袋の白い巨塔、IMAX Laser GTかなあと。しかも「プロジェクト・ヘイル・メアリー」のようにネットのチケット争奪戦が思ったほど激しくなくて、意外とあっさり「ほぼベスト」な席が取れちゃったりして。でもそれはそれでそんなにヒットしていないのかなという不安も重なったりして...まあそれはともかく3Dは回避したがモノホンのIMAX大画面、大音響に浸ってきた。てかね、そもそもディズニープラスで配信されてきたあの伝説の配信ドラマ、シーズン3まで積み重ねられてきたあの「マンダロリアン」の初の劇場版、更なる「続編」ということなので、そりゃあハードルはそれなりに高い設定になるのは致し方ないところで、それをいかに乗り越えて新たなるスマッシュヒットに昇華できるのかどうか...期待しちゃうよねえ、そりゃあさ。ええっとですね、ぶっちゃけますとですね、もうまさに「置きにいった」感満載、いや「置きにいった」のお手本、極北とでも言いたくなるような、万人向けアトラクション・ムービー、広く浅く観客を取り込みに行ったという意味では潔ささえ感じられる、まあ何とも無難な作品でありました。アトラクションとしては最高に楽しい、でも一本の映画作品としての面白さがあったかといわれれば「うーん」としか言いようのない、まさに無難なところに落とし込んだ作品でしかなかったように思う。配信ドラマとして積み重ねてきたストーリー、いやディン・ジャリンの「ナラティブ」の尊さがこの劇場版にはほとんどなくて、まさにアトラクション的なエンターテイメントに特化した作品で、そういう意味では潔いといえば潔いのかも知れない。もちろん続編として「世界観」はちゃんと継承していたと思うし、マンダロリアンの賞金稼ぎとしてのキャラクターに原点回帰したという感じはポジティブに捉えられると思うんだけど、グローグーの可愛らしさにチョット頼り過ぎというか、いわゆる「成長」を描くことがほとんどなくて、そういう意味ではホント、隔靴掻痒な感じが拭いきれなかった。ルトウィグ・ゴランソン(ルートヴィッヒ・ヨーランソン)のあの耳に残るオリジナリティあふれる見事な旋律は今回も健在で、いわゆる「スター・ウォーズ」の音楽、ジョン・ウィリアムズの有名すぎる旋律は使わなかったことも含めて、音楽という意味ではまさに「マンダロリアン」だったことは嬉しかったけどね。何といえばいいのか、まさに「スター・ウォーズ」のスピンオフとして始まった配信ドラマだったはずが、エピソード7、8、9の迷走、グダグダをイッキに払しょくしたという意味でも今や「スター・ウォーズ」シリーズのメイン・ストリームに躍り出てきた「マンダロリアン」だったのに、いざ劇場版になるとどうも重み、深みがなくなったというか、もうただただ商売優先でシリーズを知らない若者を取り込むことに重点を置いて、まさに万人向けに「無難」な作りに徹してしまって、それまであったあの独特のオリジナリティあふれる、かつガチで「スター・ウォーズ」してた魅力が半減してしまったのではないかと言わざるを得ない。物語そのものはね、それこそ潔いまでのシンプルさ、少し成長したグローグーとふたりで与えられたミッションをこなしていくという分かりやすさ、単純明快さに特化したファミリー・ムービー...ああこの作品も「スター・ウォーズ」である前にディズニーの映画なんだなという脱力感...うぅぅ。いやね、それでもIMAX、1.43:1の使い方は実に巧みだったし、アヴァンでガツンとアクションを見せておいて「スター・ウォーズ」を名乗らずにあのメインタイトル、メインテーマで始まった感じは上がったんだけどね、物語全体としては無難過ぎて、あまりにも無難過ぎて心の底からのめり込めなかった。ディン・ジャリンとグローグーの師弟関係? いわゆる「子連れ狼」としての新鮮味はもうこれ以上出しようもなかったのか、グローグーの可愛らしさで押し切ろうという安易さ、強引さが常にまとわりついてしまって、これもまた隔靴掻痒...うぅぅ。シリーズでいろいろと出てきたキャラもほとんど出てこなかった代わりに、アニメシリーズ「クローン・ウォーズ」繋がりのハット族が絡むこと、亡くなったカール・ウェザーズが演じていたフリーフ・カルガのキャラの「後継」ということで新たにシガーニー・ウィーバー扮する元反乱軍のウォード大佐を登場させ、その関係性で分かりやすくシンプルに押し通したのは、これもまた「潔さ」という意味ではよかったところかも知れない。クライマックスはまさに「スター・ウォーズ」だったことを思い出させてくれたけどね、スピンオフとしてのオリジナリティがウリだったことさえもどこか隔世の感さえあるような、よくも悪くもまさに潔いまでの「無難さ」だった。そもそもディズニープラスに加入すること自体がそれなりのハードルだしね、それこそ「マンダロリアン」をどれだけの人が見ているのかという問題が大きく立ちはだかっている上で作られる新たな「スター・ウォーズ」劇場版な訳で、様々な「妥協」が避けられなかっただろうことは想像に難くない。まあとにかく、ジョン・ファヴロー、デイヴ・フィローニの苦悩、妥協が見え隠れしつつ、結局ディズニーの商売っ気が勝ってしまった、そんな「マンダロリアン・アンド・グローグー」でした。余談だけど邦題の「アンド」に違和感...逆に「マンダロリアン&グローグー」の方がよくない? 原題の“AND”に平仄を合わせたのかも知れないけど、外国映画の題名なんてどう転んだって邦題になる時点でダサさが漏れると思うし、それをいかに最小限に抑えるかがポイントだと思うのだが、これをまんまアンドってカタカナにしたのはやっぱりダサいなあと思うんだけど...ま、こればっかりは個人それぞれの感じ方、センスの問題なのでこれ以上あれこれ言っても詮無いんだけどさ。でもまさに久し振りの「スター・ウォーズ」映画、池袋で見る価値はあると思うよ。往年のファンも、シリーズを知らない若いファンも、配信で「マンダロリアン」を見た人も、見てない人も、みんなそれぞれそれなりに楽しめるご機嫌なディズニーの「アトラクション・ムービー」...ぜひ池袋で!という訳で明日もお休みを頂いたので「悪あがき」に立ち戻ります...頑張れ、私!