そもそも俺と彼女には、問題がなかったのか?
いや、むしろ問題しかなかった。
そして、その問題は付き合う前からあった。
彼女は毎日の電話に続き、俺を遊びにも誘ってきた。
そして俺はその誘いに乗った。
俺にとって彼女は、元々気になる存在であった。
その時点でハッキリ好きだったかは判らないが、同じ職場の数いる女性の中で、彼女だけ特別扱いしていたことは事実だった。
そんな彼女と何度目かのデートの時、彼女は車を走らす俺の手を握ってきた。
更に(彼女の)家に着いた時には、手を握るだけでは飽き足らなかったのか、助手席からもたれかかるように抱きついてきた。
そんな状況で俺は彼女に付き合おうと言ったのだ。
そういうことは男の方から言いたかったし、何より彼女がその言葉を望んでいると思った。
(付き合おうというのが少し早いとは感じたが、早くしないと彼女の方から言われそうだったし、付き合うことに関し俺にも少し責任を負わせてほしかった。)
だが彼女は、抱きついていた身体をおもむろに上げ、俺にこう言った。
「付き合うのはちょっと・・・」
断られたこともそうだが、俺はその至って普通の断り方にも驚いた。
彼女が俺のことを好きだというのは、俺の思い過ごしだったのだろうか?
いや、さっきまで俺に抱きついてきていたのは紛れもない事実だ!
俺の頭の中は混乱した。
そして俺はこのときの混乱、
というより、初めて電話からずっと続く混乱から抜けだせなかった。
そして、それは今も・・・