おはようございます。本日もお読み頂きありがとうございます。

 

 

デジタル化の目的とは、様々な課題を解決することですが、デジタル化だけで解決できる課題はありません。つまり、デジタル化は道具なのです。

 

過去、デジタル化(IT化)が手掛けて来た課題は、汎用性(沢山の方のお悩み)があり、しかも、改善すると大きな経済価値(経費削減効果)を生むものばかりでした。特に、大企業は、その恩恵を受けて、成長してきました。

 

一方では、デジタル化が進んでいない分野が、まだ沢山あります。例えば、地方公共団体の事務処理の問題や医療、教育分野の情報化の課題、そして中小企業のデジタル化の遅れなどです。これらは、汎用性はあっても、経済合理性に乏しい分野の課題(投資対効果が見えにくい課題)であるため、デジタル化を行うインセンティブが働かないのです。

 

しかし、経済合理性に着眼している限り、デジタル化を推進できないのは明白です。では、デジタル化の価値のどの部分に価値があるのでしょうか。実は、経費削減効果以外にも沢山の効果があるのです。それは、それは、情報の利用、活用から生まれる価値です。

 

普通なら、粗大ごみとして捨てられていたモノでも、メルカリなどで販売すれば、ゴミがお金に生まれ変わります。また、スケジュール調整に何時間も掛っていてもデジタルの力をかりれば、簡単に調整できて、調整に掛かっていた細切れの時間を有効に使えるようになります。このように、経費削減が目的ではなく、情報を上手くコントロールする事で、お金を生んだり、時間を創造したりするなどの価値を創造することが目的になるのです。

 

デジタル化の利点は、距離と時間軸を越えて情報を共有できる点にあります。例えば、携帯電話は、距離を超越して会話ができますが、相手の時間を奪います。一方、電子メールは、距離を超越し、かつ、相手の時間を束縛しません。この特性が、デジタル化の強みなのです。

 

過去、デジタル化は、人減らしの道具として活躍しました。しかし、これからのデジタル化の目的は、共同・協調して働くためのツールであり、その労働から生まれる膨大なデータを情報として活用する点にあります。言い換えれば、無から価値創造するためにデジタル化を活用するのです。

 

しかし、残念ながら、このデジタル化の有効性を私達の社会は、まだ活用できていません。その理由は、デジタル化を使うタイミングが間違っているからです。最初にしなければならない事は、まず、何を実現すべきかの目的を明確化することです。そして、その目的を達成する為に必要な、全体最適された方法や仕組み、組織を設計した後で、デジタル化すべき機能を設計時し開発する手順が大切なのです。

 

しかし、今の、デジタル化は、総合感冒薬(風邪薬)のように、この症状には、この薬を飲んでおけばOK!みたいな、対処療法的、場当たり的、もぐらたたき的な対応がほとんどではないでしょうか。

 

真に便利で真に約立つデジタル化を構想し、実装して行く事が、これから求められます。

 

それを担っていく人材がITCなのです。